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剣士さんとドラクエ[
17話 陸路
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んな高いもの汚したら罰当たるんだ……」
「……苦労してるのね、金銭感覚的に」
「そうさ、ボクは……庶民の味方だ……!貴族ってのはみんなおかしいんだ!50ゴールドで腹一杯食えるってのに果物に3000ゴールドかける阿呆にはなんて言葉をかければいいんだ……!」
「苦労しとるの、トウカや」
「あ、はい」

 ……苦労が背中にのしかかっている幻影が見える……。哀愁すら漂っているって……トウカ、ストレス大丈夫?さっきまで晴らしてたけどさ……。

「という訳でね、返り血が付かない斬り方を子供時代から研究してたんだ。だいたいこれで型は完成しててね」
「そう、努力家ね」
「……よせやい」

 照れて頬をピンク色に染めて、首をぶんぶん振る。下ろしているのは邪魔になったのか、耳の下で結った髪の毛が僕の顔に当たりそうなんだけどな……。痛っ……。

「あ、ごめん」
「……もう少しだけ落ち着いて」
「……うん」

 そんなこんなしているうちに聖水の加護が解けて、再び魔物の気配がし始める。欠伸をしたり伸びをしたりとリラックス気味だったトウカが、大剣を鞘から引き抜いて表情を引き締めた。きりりと眉が釣り上がる。僕も剣を引き抜いておいた。

「では、マイエラを目指して進みましょう」
「うむ」

 ぴりりとしたトウカの殺気が辺りに充満していって、好戦的にトウカが笑い声を少しだけ漏らした。そして、鋭い風のうなりを残して、前方へ突撃していった。
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