17話 陸路
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。ああ、やっと怒涛の戦闘が過ぎ去ったんだ。
「はぁ……。それにしても、みんな、器用ね……あたしはもういっぱいいっぱいよ」
「疲れちゃった?じゃあ休憩にしようか……えいっ。ごめんね、一般人の体力はちょっと分かんなくて……。ん?器用だって?何で?」
軽い休憩を取るために一つだけ聖水を地面に叩きつけたトウカ。因みにトウカはそれを結構向こうから行っていたにも関わらず、瓶が割れる頃にはこっちについていた瞬足を発揮していた。っていうかその距離で聞こえていたんだね。
ヤンガスも何だけど二人して息を切らしていないなんて。僕だって、ちょっと疲れたのに。……ああ、これが噂の体力おばけか……。……何でもないよ。何でもないったら、何も言ってないよ、トウカ!
「……だって返り血を全然浴びないじゃない」
「ん?」
「それは慣れでがすな」
「ああ、それね。……僕は紛いなりにも、トウカのそばで十年生きてきたからそれぐらいは……」
「我が国の兵は優秀じゃろう?」
「有り難き幸せでございます!」
「ありがとうございます」
陛下のお褒めの言葉に反射的に叫ぶトウカ。……隣で叫ばないで……耳が痛い。
返事を聞いたゼシカは肩をすくめて、真似は出来ないと言う。僕も初めはそう思ってたよ?でもね、やれば人間何でも出来るんだよ。……出来るんだよ……出来ちゃったんだよ……。あはは……。
「ボクの服は白だよ、血が付いたら面倒じゃないか」
「強さを誇示してんじゃないの、白い旅の服は?汚れるのにわざわざ白いのを着るなんて」
「……ちょっと作りがしっかりしてるけど、これは部屋着なんだよなぁ……持ち服で何故か一番丈夫だから着てるんだけど……デザインが地味で」
「…………、いい趣味してるじゃない」
……そういえば僕も普段着にブーツと剣と盾の武装だけだな。トウカは普段から武装してたけど……、違いって何かあるの?身一つ、な訳じゃないけど明らかに軽装だ。部屋着って、それはなんだよ。それはおかしい。
……まあ、僕が言えたもんじゃないし、ゼシカも似たようなものだけど。よくもまあ、そんな格好で魔物の群れに単身で突っ込めるもんだよ……。
「実はさ、見えているのは手甲だけだけど、防具は他にも腕当てと肘当てと鎖帷子と膝あてと足甲でさ、ブーツに鉄板入れてるんだ。要するに超重量装備ってわけ」
「……陛下」
「うむ。我が城の鎧を着た一般的な兵士よりは堅いじゃろう。しかもそれは近衛兵の量産品の支給品ではなく、子を溺愛するモノトリア当主が揃えたものじゃ」
「因みに服は二枚着てるよ」
……それは初めて知った。着痩せしすぎでしょ、トウカ……ちょっとごついぐらいで何で済んでるんだ……。
「腕捲りしたらこんな感じ。こんな高いもの汚したくない、ボクこ
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