暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第16話?風と光の剣戟
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も間に合わない自信がある。普通に考えて、閃光の言うことはもっともであり、正論だ。
?しかし、ボス戦に出ないと言うのは、嫌だとわめく自分が少しだけいた。うまく表現できないが、元気なのに学校を休む、みたいな感覚だ。
?僕は元々積極的にボス戦に参加していた訳じゃない。ただ、他の人よりもレベルが高いから参加する。あったのはそんな義務感だけで、僕の気持ちはこれっぽっちもなかったはずだ。はずだった。
?だけど、驚くべきことに出ないのを拒否したがる自分がいる。感情がある。
?だが、所詮気持ちは気持ちだ。どれだけ強かろうと、僕が危ないと言う事実は変わらない。僕も死にたいわけじゃない。
?静かに息を吐き、自分に蓋をする。そして、口を開いて――
「あのさ、俺ひとつ言いたいことあるんだけど」
?言葉を出そうとした瞬間、思わぬところから声が飛んできた。発生源は僕の後ろにいたカイだ。
「閃光、その状態でボス戦挑むつもりなのか??それなら、お前もユウと一緒に抜けとけ。死ぬぞ」
「なっ……!?」
?いきなり放たれた不躾な言葉に、閃光は驚きの声をあげる。
「貴様ぁ!?何を言っている!」
?と後ろの護衛と思わしき血盟騎士団団員が武器の柄に手をかけて鋭く叫ぶ。だが、団員を手だけで制した閃光は、目を少し細めてカイの方を向き口を開いた。
「……どういう意味ですか。もしかして、わたしがあなたの友達を離脱させるから、その腹いせですか?」
「そんなんじゃねーよ。俺は別にユウが参加しようがしまいがどっちでもいいしな。俺は単純に作戦会議のときから思ってたから言っただけだ」
?周りにいた攻略組たちが何事か、とこっちを見はじめる。散り始めていたプレイヤーがまた集まり出した。
?髪を乱暴にガシガシとかいて、わざとらしく大きくため息をついたカイは続ける。
「閃光、お前本当にそれで戦うつもりか??他の団員のお前らもそいつの何見てんだ??フラッフラじゃねーか」
「ッ!」
?カイの言葉に、息を呑む閃光。そう、気丈に振る舞ってはいるものの、足取りが少し覚束なかったり、たまにきつく目をつむったりしていた。目の下の隈なんて見る必要すらなかったのだ。
「そんなんでボスに挑むなんて死ぬだけだ。せめてボス戦の前日だけでいいから、寝るなりして休んどけ」
「みんなが頑張ってるのに、わたしは一人でサボれってことですか!?」
「そうだ」
「そんなのできません。わたしは――」
「今のお前じゃあ絶対に足を引っ張る。何なら今のユウの方が戦力になるぜ。死人出したくねーなら、すっこんでろ」
?畳み込むような――というか、オブラートのオの字もないような言葉の連続に、閃光がつまる。周りが明らかによろしくない目付きでカイを見ていた。客観的に見たら、どう考えてもいじめだ。閃光がスカートの端を強く握っているのを
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