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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第16話?風と光の剣戟
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尽な気がする。
?意義あり!?と申し立てたいが、そんな度胸もないし、空気でもない。大人しくしておくのが吉だろう。カイも珍しく素直だった。
?数秒僕たちの方を見たあと、閃光はまた作戦の説明に戻る。静かに息を吐いてカイの腕を軽く肘でつついてから、僕も説明に耳を傾ける。それから三十分ほど説明は続いた――。

「――はあ〜……、ようやく終わった……」
?カイが大きく伸びをしながら、そんなことをぼやいた。さらに首をコキコキ、と鳴らす。
?僕もカイほどではないにしろ、少し肩を回してみたりする。現実世界でもだったが、どうも授業めいたものは苦手だ。他のことをしたくなる。
?今回のボス戦もいつも通り遊撃という配役だった。先陣を切るのは、僕たちではなく鎧をまとったそれぞれのギルドの重戦士たち。まあ、基本的に金属製防具を身に付けない僕やカイには無理なことだ。
「ちゃんと頭に入れた?」
「多分な。忘れたらお前に聞くわ」
「忘れないでほしいんだけど」
?ため息をつきながら、閃光の方に首を動かす。ちょうど数名のプレイヤーへの質疑応答をし終わったところだった。相談するなら、今がいいだろう。
「ちょっと、聞いてくる」
「ならついでに俺もついてく」
「何で?」
「何となく〜」
?カイをつれて閃光のもとへ行くと、彼女は明確に顔を険しくした。その矛先は僕じゃなくてカイの方だと信じたい。
「あのさ、閃光さん。聞きたいことあるんだけど……」
「何ですか?」
?少しだけ嫌悪感の混じった声で聞いてくる。美人からそーいう目で見られるの本当に嫌なんだけど、なんて言うと本当に怖いから止めておく。
「えっと、武器を代えたから、熟練度低いんだ。多分ボス戦でも大してソードスキル使えないと思うんだ。それでも参加していいかな?」
「……失礼ですけど、今の熟練度は?」
「えーと、150ぐらい」
?昨日の今日だから、仕方ないと言えば仕方ないが、これでも頑張ったのだ。長い間使っていた曲刀スキルは、もうカタナスキルを入れるために外してしまっている。
?閃光は少し考えるように口許に手をやったあと、僕に結論を告げた。
「申し訳ないですが、今回のボス攻略は棄権してください。危険すぎます」
「……やっぱり」
「きっと今のあなたが使えるソードスキルは最高でも五つでしょう。しかも、最初から使える基本技がほとんど。……違いますか?」
「…………ご名答です」
?思わず僕は目を軽く見開いて答える。閃光の言う通り、今の僕が使えるソードスキルは基本技を含めて五つ。まさか、熟練度だけでソードスキルの数まで当てられるとは。
?多分、今の攻略組の平均熟練度は、500あるかないかだ。お世辞にも近いとは言えない。というか、かなり離れている。三日後にあるボス戦には、例え二日徹夜してカタナを振ったとして
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