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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第16話?風と光の剣戟
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えるようになったんだから」
「そっか、ならよかったな」
?何なら刀身も見せたいけど、ここで抜刀したら周りに迷惑をかけるから止めておく。カタナを元の位置に戻していると、今度はカグヤが真剣な口調で話しかけてきた。
「ユウ、熟練度低いなら今回のボス攻略止めといたら?」
「……やっぱり?」
?薄々感づいていたことを指摘され、僕は思わず頬をかく。カグヤが「当たり前でしょ」と言って腰に手をやり、息を吐く。
「ユウのプレイヤーとしての技術は相当なものだけど、それでもソードスキルなしはさすがにキツい思うわ」
「なしってわけじゃないんだけど、そうだよねー。まあ、この作戦会議には参加するよ。ボス戦に参加するかどうかは、あそこの《攻略の鬼》に相談してみるよ」
?そう言って、僕は前の方を指差す。そこには白を基調とした肩の部分が空いた長袖の上に金属製の胸当てをし、赤を基調としたミニスカートを身に付けているカグヤと負けず劣らずの美少女がいた。きれいで腰まで届く長い亜麻色の髪をなびかせている。――血盟騎士団団員《閃光》のアスナだ。
?今の攻略組を仕切っているのは、彼女だと言っても過言ではない。なぜならば彼女が寄せ集められた情報をもとに、ボス攻略のための作戦を練り、レイドの構成を作っているからだ。
?最初は女がでしゃばるな、などという意見もあった。だが、彼女が作る作戦はほとんどと言っていいほど完璧であり、穴も隙もないものだった。それから反発がなくなったのは言うまでもないことだろう。僕としても彼女が中心でも問題はない。少しでも安全性が増すならば、喜んで賛成しよう。
?何より彼女が指揮を執るようになってから、攻略のペースが格段に上がった。半年で二十八層というのも彼女の功績と言ってもいいぐらいだ。
?だが、少しだけ気になることがある。それは、閃光自身のことだ。
?ボス攻略に――そもそも、この会議に参加している時点で、閃光のレベルが最低でも攻略組と呼べるレベルだというのは判る。だが、彼女はボス攻略のための作戦を練るという作業――作業と言っていいかわかんないけど――もある。さらにギルドのことでも色々あるだろう。つまり、いつ自分のレベル上げをやっているのか、という疑問が浮かび上がる。
?考えた結果、睡眠時間を減らしている、という答えに至った。使える時間がなくなったのならば、他の時間を削って作ればいい。
?しかし、このやり方は明らかにキツく、そして疲れる。体、頭、心を休める時間を削ってのレベル上げ。どう考えても危険な匂いしかしない。迷宮区に籠ることのある僕ですらも、五時間は安全地帯で寝ることで休んでいるというのに。……まあ、僕の予想だし、正しいとは限らない。だけど、手応えのようなものも感じていた。
?閃光の表情を見ることで、察知できればいいのだが、あいにくSAOの再現度は
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