暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第16話?風と光の剣戟
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出したような形で、僕の前にいた。
?ソードスキルのブーストには、一つだけ注意しなければならないことがある。それは、失敗するとソードスキルがキャンセルされる他、技後硬直が起こるのだ。
?――とどけっ……!
?左手のなかに収まるカタナをくるりと返しながら、指定された予備動作を構えた。銀色の輝きが閃光の腹を一閃する。
?さっきとは反対の方向に閃光が放物線上にふっ飛んでいく――HPゲージは一割にも満たないが、明らかに減少していた。
?直後、僕の頭上に勝者を表すシステムウインドウが出現した。
?いつの間にか、しんとしていたギャラリーがなおも固まっているかのように動かない。僕は息を吐いたあと、カタナを鞘に戻し、地面に崩れ落ちるように座った閃光まで歩いた。
?閃光の顔には、まるで信じられないとでも言うように目を見開き、口を小さく開けている。細剣すらも手からこぼれていた。
?そんな彼女に向かって手を差し出す。閃光が力なく僕の左手を握ると、優しく持ち上げた。
「君が負けたのは、僕よりも弱かったからじゃないよ。それだけ君が疲れてるんだ。だから、二日間ゆっくり休んでから、また頑張ってほしいな」
?僕はそう言ってから閃光の足元に落ちている細剣を拾って、しっかりと握らせた。
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