第32話胸が痛むんだ
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ライリュウside
第55層《グランザム》、ギルド《血盟騎士団》本部
「もうちょっと後でも良かったんだけどな・・・」
「あまり都合が良くなかったならすまない。一週間後ボス攻略を予定していてね、我々もその準備で忙しいのだよ。ライリュウ君」
「いや、アンタも時間を割いてこの場を設けてくれたんだ。そこは感謝するよ、《血盟騎士団》団長ヒースクリフ殿」
オレは《アインクラッド解放軍》の創設者、シンカーさん救出を未来、キリト、アスナさんに任せ、先日ユイちゃんの事を相談しようと連絡した相手、《血盟騎士団》の団長ヒースクリフに会いに来た。
次のボス戦に向けて準備もあったらしく、オレからしたらバットタイミングになってしまった。次はクォーターポイント、階層+10レベルのレベルマージンもほぼ役に立たない難易度になるため、それ相応の準備が必要なのは納得出来る。
「では早速本題に入ろう。・・・左手でシステムウィンドウを出したプレイヤーがいたそうだね?」
「あぁ、本人は記憶をなくしてるから分からないけど、ほぼ確実に運営の人間だと思う。それも、10歳未満の少女だった」
「少女?」
ヒースクリフには「左手でシステムウィンドウを出したプレイヤーがいる」としか伝えていない。つまりユイちゃんの事を厳密に教えてはいなかった。
「アンタ、前にSAOの開発チームに友人がいたって言ってたよな?そのチームのメンバー・・・もしくは家族に10歳未満の娘はいなかったか?」
以前ベータテストの時にはなかったイベントクエストがあった。もちろんテスト時にはなかったイベントなのでオレやアルゴも全く知らなかった。碌に情報が出回っていなかった状況で、ヒースクリフだけが情報を持っていた。当時は「SAO開発チームに友人がいた」と言っていたので、少し疑問も残ったが何も口を出さなかった。
「・・・いや、知らないな。開発チーム全員と面識があった訳ではなかったし、私の友人も独身だった。名前すら出てこなかった」
「そうか・・・」
開発チームにはユイちゃんらしき少女がいたかは不明で友人も独り身だったか。そもそも開発にあんな幼い子供が所属してる訳がないな。身内の線も薄いし、名前すら聞いた事がなかったらーーー名前?そういえばユイちゃんのキャラネーム、あれが一番の手掛かりになるかもしれない。
「その子の名前・・・キャラネームが普通大人でも付ける物じゃなかったんだ」
「・・・その少女、何という名前だったのかね?」
「《MHCP001ーYui》」
こんな名前、普通子供はおろか大人でも付ける訳がない。仮にユイちゃんが元々どんなに頭の良い子だったとしてもだ。それだけはありえないーーーと思う。
「・・・メンタルヘルス・カウンセリング・プ
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