17部分：第十七章
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第十七章
「貴様がな。わしのいるこの時代にな」
「その通りだぎゃ。だからわしは来た」
ヒデヨシだった。その礼服姿でコロシアムの観客席に仁王立ちしている。そうしてそのうえで博士を見下ろし言い切るのだった。
「貴様を止める為にな」
「この世界ではそれができるかのう」
「できる」
そこには天下人に相応しい絶対の自信があった。
「わしじゃからな」
「いい言葉じゃ。流石じゃな」
博士も今のヒデヨシの言葉は納得した顔で頷くのだった。
「わしと戦うだけはある」
「では行くぞ」
博士を見下ろしながらまた告げた。
「今からのう」
「ではじゃ。御主が相手ならばじゃ」
「何っ！？」
「空を！？」
ここは博士は空に浮かび上がった。そうしてそのうえで丁度観客席にいるヒデヨシの高さにまであがってきたのであった。
「あれっ、博士空飛べたんですか？」
「おお、小田切君」
博士はここでやっと小田切君のことに気付いたのだった。
「君も来ておったのじゃな」
「来ておったのかじゃないですよ」
今の博士の言葉には少し困った顔になる小田切君だった。そしてその顔でまた博士に対して述べるのだった。
「さっきからずっとここにいますよ」
「ふむ。そうじゃったのか」
「そうじゃったのかじゃなくてですね」
また困った顔で博士に話していく。
「ライゾウもタロも一緒ですよ」
「そうだぜ、やっぱり博士と一緒の時代だったよ」
「場所もね」
彼等もまた博士に対して話すのだった。
「まあこれこそが腐れ縁ってやつだろうけれどな」
「それで博士カイザージョーは？」
タロはここであの巨大破壊ロボットのことを尋ねたのだった。
「今見えないけれどどうしたの？」
「そういえばいないな。どうしたんだよ」
ライゾウもまたそのことについて尋ねる。すると返事はこうであった。
「うむ、なおした」
「えっ、なおしたのかよ」
「それで今はないの」
「そうじゃ。気が変わった」
博士の気紛れさがここでも遺憾なく発揮されていた。
「ここは思い切って面白いことをやりたいと思ってのう」
「面白いことですか」
「この鞭じゃ」
右手に持つその鞭を剣のようにして出す。言わずと知れたその一兆ボルトの高圧電流を放つ電気鞭である。博士のメイン武器と言ってもいい。
「この鞭を使ってやろうと思ってのう」
「それでカイザージョーをしまったんですか」
「そういうことじゃ」
これでとりあえずカイザージョーのことはわかったのだった。
「これでよいな。説明は」
「ええ。それでですね」
とりあえずカイザージョーのことはわかったが聞きたいことはまだあるのだった。とかく常識外れのこの博士の行動を考えればそれも当然のことであった。
「どうして空飛べる
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