暁 〜小説投稿サイト〜
八神家の養父切嗣
四十話:戦況
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
でもない。彼女は情報を整理して公表するという名目をもって各地で戦闘を行っている部隊員と連絡を堂々と取り、尚且つ秘密裏に指示も出しているのだ。勿論、その程度のことを見抜けないような清廉潔白な人間などここにはいない。だが、自分達に利益がある以上は見て見ぬふりをする。

 あのレジアスでさえ、黙っておくのが自分にとっても最も利益のある行動だと踏み何も文句を言っていないのだ。もっとも、文句を言えば逆に正当な職務を妨害しようとしたとして後で晒しあげられるか、裏切り者だと冤罪をここぞとばかりに被せてくるだろうが。

「地下にて機動六課の部隊長と隊員数名が敵と戦闘中、敵は戦闘機人三名、純魔導士一名。ミッド中央上空では副隊長、曹長がオーバーS(・・・・・)ランク魔導士とユニゾンデバイスと戦闘中。機動六課本部に戦闘機人とガジェット襲撃、隊員が防戦中。ガジェットの群が複数ミッド上空を旋回、正し被害は今のところなし」

 まとめた情報を述べつつ一ヶ所だけを強調して読み、傍に控えていたシグナムに目配せをする。その意図を読み取ったシグナムは誰にも悟られぬように静かに動き、ヴィータとツヴァイの援護に向かい始める。

 得られた情報を伝えてはいるがそこに仮面の男になりすました二人の女性のことは入れていない。あらかじめ彼女達のことはこちらに伝えないように言ってある。そもそもどこに行くか自体は二人の経験に任しているのだ。違反に近い行為だがばれた場合はたまたまその場にめぐり合わせて援護に入ったと白を切るつもりだ。

「さてと、こっからは……みんなを信じるしかないな」

 万全とは言い難いが出来得るだけの策は講じた。できることはもはや天に祈る程度だろうとはやては感情を鎮めるように目を瞑るのだった。自分のすぐ下に追い求めた人が居るのを我慢するために。





 地下通路にてなのはから現状、六課とスカリエッティ側は均衡していると伝えられる切嗣。思い通りの展開になっていないことに表情を歪ませる切嗣。一体誰が援護に向かっているかは切嗣の知るところではないが手練れであることだけはなのはとフェイトの表情から察する。

「時間はかけたくないんだが……その様子だと僕を逃がす気はないようだね」
「人質を取っていてもここから動けないのならあなたに勝ちはありませんから」

 フォワード陣は間違いなく切嗣に人質に取られている。だが、人質が居るだけでは切嗣もどうしようもないのだ。逃げ道を確保することができなければいつまでもここから離れられず、時間をかければ敵に囲まれかねない。

 これが一般人を人質に取っているのならばいくらでも粘れるかもしれないが、人質が局員である以上はそれもできない。局員である以上は覚悟の上とされて命を危険に晒す突撃などを行われる可能性が高くなる。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ