第3章 リーザス陥落
第85話 決戦・ヘルマン第3軍
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ったんだ。
でも、……当然ながら、口に出しては言わないが。
「だがそれでも、光は全身に浴びているんだ。戦闘になればきついだろ? ……だから、ある程度のフォローで良い。それに、危なくなったら即逃げても良い」
「……悪魔を舐めないでくれるか? ユーリ」
「舐めてるつもりは毛頭ないさ。逢魔を超えた刻を限定にしたら、間違いなくフェリスが最強だ。だが、それでも 無理だけは、許さん」
「………………」
――人間であろうと悪魔であろうと、同じ仲間だ。死ぬ事だけは許さない。
フェリスには、そう言っている気がした。
ユーリに真面目に、真顔でそう言われるフェリス。如何に、悪魔と人間とでは違いがありすぎるとはいえ……、人間の中でも異質であろう実力を持っているユーリに言われたら、照れてしまうのも無理はなく、そして 容易に信じる事も出来ない。
「……どの口が言ってんだか。それに、負けてるつもりなんか無いくせに」
「ははっ。……何言ってるんだ。フェリスは仲間だ。オレ達に勝ち負けなんか関係無いだろ。――……ただただ、フェリスのコトは 信頼してる。そう言いたいだけだ。……頼む」
ユーリはそういうと、フェリスの肩をそっと叩いた後、清十郎やリック達の元へと向かっていった。
ユーリが触ったのは一瞬だった。その一瞬で、また、また 温かさが。……触覚が、ユーリの手を通じて肩から心にまで伝わってくる。温もりが頭部にまで来て、その熱さを感じてしまう。
「っ…… ったく、あいつはこんな時も、あいつなんだから。……また志津香に蹴られても知らないぞ」
生憎、志津香も前衛部隊と比べたら、少数ではあるとは言え、自分が率いているメンバーがいる為、打ち合せを蔑ろにする訳にもいかず、マリアのチューリップ部隊と連携して、話をしていた為、気づいていない。
それは、かなみも同様だ。メナドと今回の戦いの凡ゆる想定を交わしあっている為、気づいていない。
だから、フェリスは少しの間ではあるが、動く事ができず、ただただ 温もりに触れているのだった。
その会話は決して大きな声でも、目立っている訳でもない他愛のないもの。これを気づく事ができるとすれば、それは最早人間ではなく……。いや、気づく事ができる者がいるとすれば、恐るべきシスター? ロゼ。もしくは、両刀使いのミリ位だろうか……?
ロゼは 危なくない様に、と言う事で ヒーラーとしての配置、後尾であり、ミリも自分の部隊を指揮していてとりあえずは大丈夫そうだが……。
「後々を考えると、なんか、寒気がするけどな……」
いや、きっと武者震いだろう、とどうにか誤魔化しつつ、気を取り直し、フェリスは新たな動きがないかどうか、低空で飛びつつ周囲の警戒をするのだった
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