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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―女の話―
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収されていた、《サイバー・ブレイダー》の融合素材たる《エトワール・サイバー》。《サイバー・エンジェル−荼吉尼−》に切り刻まれた破片が、《奇跡の残照》の光とともに再結成していき、一度きりの壁として明日香のライフを守り抜いた。

「ふうん……《奇跡の残照》って遊矢様のカードだよね? 何で明日香さんが持ってるの? ねぇ、ねぇ」

「……遊矢とトレードしたからよ」

 明日香を間一髪のところで守ったリバースカード、《奇跡の残照》は遊矢と明日香がトレードしたカードのため、確かに元をたどれば遊矢のカードだった。遊矢のエクストラデッキに今もあるモンスター、《サイバー・ブレイダー》とトレードしたカードであり――それを聞いたレイの顔が笑みで歪む。

「明日香さんはズルいや……ボクが欲しいもの全部持ってて。全部奪っていって……カードを一枚伏せて、ターンエンド」

「……確かに、そうかもしれないわね」

 笑顔を貼りつけたレイの問いかけに、明日香は埃を払いながら初めて答える。どこか自嘲めいた表情とともに。

「レイちゃんがずっと好きだった遊矢の隣に、いきなり私がいて。レイちゃんが努力して手に入れたアカデミアの席に、私は何でもないようにいて」

 アカデミア中等部を経てジェネックスで実績を残し、高等部にまで飛び級したレイを、明日香は素直に尊敬していた。その将来性豊かなデュエルの実力だけではなく、ただ好きな人の隣にいたい――という理由だけでそこまで出来る、その行動力と意志の強さにおいても。

 もしも明日香がレイと同じ境遇だったとしても、果たして同様のことは出来ただろうか。……いや、出来なかっただろうな、と明日香は思う。そんな彼女が彼を好きならば――

「でも、私も遊矢が好き」

 今まで一言も口に出したことはなかったが、レイがいつも言うようのようにスラリと口から出て来た。こんなに言って楽になるのならば、もっと早く口にしておけば良かった、と後悔するほどに。

「デュエルを競い合える遊矢が好き。デュエル以外のことを教えてくれる遊矢が好き。今まで一緒にいた……遊矢が、好き」

 一度口にしてしまえば、まるでダムが決壊するかの如くとめどなく溢れだしていく。デュエルに恋していた明日香にとって、共に競い合ってきたライバルとして――そのデュエル以外の恋を見つけさせてくれた相手として。彼のことが好きだと心の底から言い放った。

「ううん、違うよ。遊矢様はボクの全てなんだから、明日香さんのものじゃない」

「そうね……レイちゃん、あなたとは正々堂々相手をしたいの。だから――」

 明日香の告白に笑顔のままゆっくりと首を振るレイに対し、明日香は倒すべき相手を見据える。フィールドにいるだけで漆黒の気配を漂わせる、まるで幽霊のようにレイに
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