―女の話―
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たような表情で、口角を上げて。
「ボクの全部《遊矢様》をボクから奪うなら、明日香さんもボクに全部を頂戴っ……! ビッグ・アイの効果を発動!」
レイの効果発動の宣言とともに、ビッグ・アイの真紅の瞳が光る。一定のタイミングで怪しく輝くそれは、一見してフィールドに何も影響を及ぼすようには見えなかったが――
「ビッグ・アイの効果。オーバーレイ・ユニットを一つ取り除くことで、相手モンスターのコントロールを奪う。テンプテーション・グランス!」
「えっ……」
明日香のフィールドにいるモンスターは一体――《サイバー・ブレイダー》のみ。ビッグ・アイの瞳に魅入られ、ゆっくりと明日香に振り向く《サイバー・ブレイダー》の瞳には、レイと同じように明日香への敵意に満ちていた。
「バトル。《サイバー・ブレイダー》でダイレクトアタック」
「うっ……!」
明日香LP4000→1900
今まで明日香を守るように立っていた《サイバー・ブレイダー》から、痛烈な蹴りが明日香の腹部を炸裂する。一瞬息が出来なくなるような感覚を味わい、足が力を失って無意識に大地に膝を突いていた。
「うっ……ぐ、ぁはっ!」
「残念だけど、ビッグ・アイは効果を使ったターン、攻撃出来ないんだ。《サイバー・ブレイダー》。明日香さんと言えば、ってモンスターだよね。……ああでも、遊矢様も持ってたっけ……」
苦悶の声と咳を漏らして倒れる明日香をよそに、レイは表情を笑顔に固定したまま話しかけていく。そして《サイバー・ブレイダー》は明日香を一瞥することもなく、レイのフィールドへと降り立っていく。
「でも全然、ボクから奪ったものには足りないよね。全然、全然、全然……ううん、カードを一枚伏せて、ターンエンド」
「私の……ターン。ドロー!」
明日香は無理矢理身体を起き上がらせると、デュエルディスクからカードを一枚引き抜いた。遊矢が兄を救った時のように、漆黒に染まったカードを破壊しつつ、デュエルに勝利するしか方法はない――と、明日香はレイを救う方法の目処を立てながら、がら空きになった自分のフィールドと、盤石なレイのフィールドを見る。
小さいデメリットでコントロール奪取効果を持つ《No.11 ビッグ・アイ》に、明日香のフィールドから奪った《サイバー・ブレイダー》。さらにリバースカードが一枚。ビッグ・アイのコントロール奪取効果はあと一回使うことが可能であり、このまま守備を固めるだけでは新たなモンスターも奪われ、ダイレクトアタックで明日香の敗北は決定する。
「私は《融合回収》を発動! 墓地の《融合》カードと、融合素材にした《エトワール・サイバー》を回収する!」
通常魔法カード《融合回収》により、墓地から二枚のカードをサルベージする
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