―女の話―
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魔天使ローズ・ソーサラー》を特殊召喚!」
小さな豆の如き植物が一瞬にして、茨の鞭を振るう天使へと生まれ変わる。さらに《魔天使ローズ・ソーサラー》の召喚条件である、植物族モンスターを手札に戻すという行動に、フィールド魔法《霞の谷の神風》が反応した。
「《霞の谷の神風》の効果発動! 風属性モンスターが手札に戻った時、デッキからレベル4以下の風属性モンスターを特殊召喚出来る。来て、《コピー・プラント》!」
「……相手モンスターが二体になったことで、《サイバー・ブレイダー》の攻撃力は倍になるわ」
《サイバー・ブレイダー》第二の効果により、《魔天使ローズ・ソーサラー》の攻撃力を上回る。ただしそれが何の意味を持つのか――普段使うデッキではないにしろ、レイは今のデッキを十全以上に使いこなしている。
「《コピー・プラント》の効果発動。このカードのレベルは、他の植物族モンスターと同じレベルになる。よってレベルは7!」
《コピー・プラント》が自身の効果で姿を変えていき、レイのフィールドに姿だけは《魔天使ローズ・ソーサラー》が二体。そのレベルはどちらも7であり、ランク7のエクシーズ召喚を警戒する。
「私は《魔天使ローズ・ソーサラー》と、レベル7になった《コピー・プラント》でオーバーレイ!」
明日香の予想通り、二体の《魔天使ローズ・ソーサラー》が重なっていく。レイは既にエクシーズ召喚をマスターしていたので、今までよりは驚きは少ない。
「レイちゃん……!?」
――それより問題だったのは、レイがデュエルディスクから取り出した一枚のカード。裏面が真っ黒に染まっており、その漆黒は辺りの空間をも侵食するようだった。明日香はあのようなカードを一度、目の当たりにしたことがあった。
実の兄である天上院吹雪。彼が操られていた《ダークネス》のカードだ。
「レイちゃん! そのカードを使うのを止めなさい!」
「――エクシーズ召喚!」
明日香の悲痛な叫びを伴った警告が届くことはなく、レイはその漆黒に染まってカードをデュエルディスクに叩きつける。二体の《魔天使ローズ・ソーサラー》が重なって、新たなエクシーズモンスターと化すのだ。
「《No.11 ビッグ・アイ》……!」
先端に白い球体がついた赤い線――神経のようにも見えるそれらが幾重にも重なっていき、《No.11 ビッグ・アイ》の円錐形な外観を作り上げていく。しかし今は、ランク7のエクシーズモンスターの召喚より、漆黒に染まったカードを召喚したレイのことだ。
「レイちゃん!」
「明日香さん……ボク、遊矢様のことが好きだったの。遊矢様のことが全て」
心配して駆け寄ろうとした明日香に対して、レイはあくまでも笑顔で話しかけた。……貼りつい
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