―女の話―
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「ねぇ明日香さん。デュエルしない? デュエル!」
つい明日香の口から出た疑問に答えることはなく、レイはいつものひまわりのような笑顔でもって、明日香にデュエルを誘う。タッグデュエル大会で付けたままのデュエルディスクを構え、レイは立ち上がるとすぐさまデュエルの準備を完了する。
「……いいわ。デュエルしましょうか」
「やった! 流石明日香さん!」
どこか様子のおかしい彼女だったが、デュエルをすれば何かが分かるかもしれない。明日香はそう考えると、レイと同様にデュエルの準備を完了する。それを待っていたような、レイは――
「楽しいデュエルにしようね!」
――そう、愉しそうに笑った。
『デュエル!』
明日香LP4000
レイLP4000
「……私のターン」
デュエルディスクが先攻を指し示したのは明日香だった。ドローした五枚のカードを見るとともに、明日香はレイに感じていた違和感の正体に気づく。
その、貼りつけたような笑顔だ。
「私は《融合》を発動! 手札の《エトワール・サイバー》と《ブレード・スケーター》を融合し、《サイバー・ブレイダー》を融合召喚!」
最初のターンからの融合召喚。氷上を滑るように明日香の融合のエースモンスターが現れ、明日香を守るように降り立った。
「私はこれでターンエンド」
「ボクのターン、ドロー!」
明日香もレイのデッキは知っているつもりだ。コントロール奪取の《恋する乙女》、アタッカーの《ミスティック・ドラゴン》、効果破壊の蠱惑魔シリーズ。その三種を組み合わせた彼女なりのデッキであり、それを見越しての《サイバー・ブレイダー》の融合召喚だった。
だがデュエルは、明日香の予想外の方向へ進んでいった。
「ボクは《森羅の実張り ピース》を召喚!」
「森羅……?」
レイがつい先程まで使っていたデッキとは違う、植物族のカテゴリーのカード。疑惑の視線を向ける明日香をよそに、何の違和感もないようにレイはデュエルを進行していく。
「《森羅の実張り ピース》を召喚した時、デッキトップが植物族モンスターなら、墓地に送ることが出来るよ。さらにフィールド魔法《霞の谷の神風》を発動!」
《森羅の実張り ピース》の効果によって、レイがデッキトップを墓地に送る。どうやら植物族であったようで、それと同時にフィールド魔法の発動により、アカデミアの森林に一陣の疾風が吹く谷と化していく。
ただしレイが立っている場所だけは。いつも遊矢が座っていたその場所だけは、フィールド魔法に浸食されることはなく、その姿を保っていた。
「さらに手札のこのカードは、フィールドの植物族モンスターを手札に戻すことで、特殊召喚出来る。ボクは《
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