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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-39
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かなかにノスタルジックであった。
 彼女は胸に押し寄せるなんともいえない感傷に浸っていた。楽しく、つらく、明るく、悲しく、苦しく、静まる、癒やされたものたちにーーーー。


 自分の夢は何だったかーーーー。そう、天文学を専門にした先生になること。
 そのために何をしたかったのかーーーー。そう、宇宙に実際に行ってみたかった。
 なぜ宇宙飛行士にならなかったのかーーーー。それじゃあ、自分が夢見たことができないと思ったから。
 実際に行ったことは何だったかーーーー。インフィニット・ストラトスを作ったこと。
 作ってからどうしたのかーーーー。学会で発表した。けど、相手にもしてもらえなかった。
 それから何をしたのかーーーー。癇癪起こして、友達であった織斑千冬に手伝ってもらって、白騎士事件を起こした。ーーーーここだ。


 自分が起こしたすべての間違いの原因。白騎士事件を起こしたこと。
 やっぱり当時の自分はまだまだ子供だった。今でも子供の頃の気持ちを忘れないでつまらない大人にならないようにしている。メカニックなウサミミもアリスの国のような格好もすべてはキャラ作りのため。……言動に関しては、素の自分であるが。


 あれさえなかったら家族は私を見捨てなかったのかもしれない。けれども、あれがなかったら私はれんくんに出会えてなかった。家族とれんくんのどちらを取ると言われると、たぶん間違いなくれんくんを私は選ぶ。
 元々両親は嫌いだった。妹の箒はそうでもなかったけど、自分にできなくて私ができることはすぐに私のせいにしてきたから、煩わしく感じていた。やっぱりあの事件を起こさなくても私は遅かれ早かれ家族が嫌いになっていた。


「……ちっ」


 今の世界の風潮は女尊男卑で、十数年前とは立場が逆転している現在、彼女にとって今の世界はどうでもいいものだった。だから何をしたって何も思うことはないし、罪悪感さえわくこともない。
 やっぱりISを作ったのは間違っていたのかな?
 何回も考えたことで、一回も答えが出たことがない自分自身に対する問い。これだけが、この問いに対する答えを見つけることだけが今の束を動かしていると言っても過言ではなかった。


 もちろん作ったことで御袰衣蓮という自分の一生を捧げたいと思える相手に出会うことができた。これが依存であったとしても彼女にとって彼がいない世界なんてもうあり得なかった。
 もし作らなかったとしたら、たぶん自分の夢を叶えていたと思っている。教師になりたい。
 私は家族が嫌い。母親も父親も多分妹も嫌いだった。でも子供は好きだった。子供たちの夢をこの手で導いてあげることができる。そんな輝きときらめきを抱ける、……もちろんその分大変であることはしている。けど、それを引いてなおかつ教師は夢の
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