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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
IFストーリー 互いの想い………
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うけど、もしいくなら予め魔法の訓練しとかなきゃあかんで』
とバルトに内緒ではやてと電話した内容だ。
(空手の強い都市部の大学か、ここから通える大学か、管理局か………それか………)
最後に願う進路。表や言葉にも出さず、自分でもまだハッキリとは気付いていない気持ち。その気持ちが段々と大きくなっていく中、ヴィヴィオも揺れるが時間は待っていてくれない………
「いらっしゃ………何だお前か」
「お前かじゃないよ!」
その日の放課後、ヴィヴィオは真っ直ぐ家へと帰った。
喫茶店を営むバルトは翠屋の士郎に学んだコーヒーの腕前は町一番と呼ばれ、テーブル席が20席、カウンターが15席ほどと、決して広くない店内にいつもお客が絶えない。更にヴィヴィオが高校に入学してからは高校生の人数も増えていっていた。
「恵もいらっしゃい」
「お、お邪魔します………」
親友のあまり見ない照れた顔を見てヴィヴィオはバルトを睨む。
「……何だよ」
「い〜え、娘とは違う優しい声で声を掛けられ不満とかそう言うんじゃないからね〜」
「はぁ………」
そうため息を吐くとバルトはカウンターから出てきてヴィヴィオに迫った。
「な、何よ………!!」
何も言わず近づくバルトに後ずさるバルト。
「あっ……!?」
気がつけば店の柱が背にあり逃げられない。
「バルト、怒ってるの………?」
怯えながらも顔がすぐ目の前にあり、心臓の鼓動が激しくなる。
(嘘っ、これって………もしかしてキス!?)
どういう心境の変化か分からないが、もう直ぐそこまで顔がある。
バン!!と柱に手を付き、更に顔を近づける。
(ママ、ごめんね……!!)
と心の中で謝りつつも、内心期待で胸が一杯だった。
そして目を閉じたヴィヴィオだが、唇には何の感触もない。
その代わり………
「おかえり……」
「ふにゃあ!?」
耳持ちで囁かれ、ヴィヴィオはその場に座り込んでしまった。
「「「「「キャアアアアアア!!!」」」」」
「「「「「うおおおおおおお!!!」」」」」
その後に店内に響く歓声。
「うるせえよ。………ったく、やっぱり恥ずかしいなこの壁ドンってのは……」
「バルトさん私にも!!!」
「私も!!!」
「やかましい!!自分の彼氏にやってもらえ!!恥ずかしくて他人になんて出来るか!!」
騒ぐな、静かにしろ!!と怒鳴りながら店のカウンターに戻るバルト。
「やっぱり人気者ねバルトさんは………ヴィヴィオ?」
「ご、ごめん!!私店の手伝いするから着替えてくるね!!!」
そう言い残し、ヴィヴィオは慌てて家の中へ走って行った………
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