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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
IFストーリー  互いの想い………
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「寒い………」

上は上着を羽織っているが、中はパジャマでノーブラ、下はスウェットと、とても外へ出られるような恰好では無かったが、咄嗟に出てきてしまった。

原因は恵との口論である。

(恵なら理解してくれると思ったのに………)

学校で一番の親友で、唯一魔法の事を知り、家庭の事情も知っている親友から連絡が来て、相談したのだが、帰って来た答えはヴィヴィオの思っていた答えとは違っていた。

『ヴィヴィオ、それは叶わない愛だと思うよ。ただのファザコンだと思ってたけど、それほどだったんなんて………バルトさんはヴィヴィオはずっと娘として接してきたのにいきなり1人の女性として愛して欲しいなんて無理な話だよ』

もっともな正論である。それはヴィヴィオも分かってる。

だけど自分の気持ちが抑えられなかった。いままで溜まりに溜まった想いが暴走しているのか、それともずっと我慢して解き放たれた影響か、ヴィヴィオ自身もどうすれば良いのか分からないのである。

「苦しいよ………なのはママ、私はどうすれば良いの………?」

砂場に転がっている丸太に座り、自分を抱え込むように丸くなるヴィヴィオはとても弱々しかった。

「こんなに好きなのに………愛してるのに………」

このまま管理局に行けばバルトは旅に出る。次に何時会えるか分からない。それだけでも心が苦しい。

「ううっ………」

涙が溢れ、止まらない。
波の音が聞こえる中、すすり泣く音が共に響き合う。

「ヴィヴィオ!!!」
「!!」

そんな中、自分を呼ぶ声にヴィヴィオは震えた。
弱々しく立ち上がり、その声の主を見る。

「何を考えてんだお前は!!」

その姿は小さい時に見た騎士の恰好をしたバルトだった。手には懐かしい大きな斧を持っている。

「私は!!私は………」

何かを言おうとしたが、言葉が出ず、黙り込む。

「………取り敢えず帰るぞ。恵も心配してた」

そう言って手を差し出すバルトだが、ヴィヴィオはその手を払った。

「ヴィヴィオ?」
「私の事はもう放っておいて!!」
「出来る訳ないだろ、今のお前はどこかおかしいぞ」
「おかしいよ!!でもそれはバルトのせいなの!!!」

そう言われたバルトはたじろいだ。

「バルトのせいなんだよ!!こんなに胸が苦しくてどうしていいか分からなくて、でも本当は離れたくなくて………私はバルトが誰よりも好きなの!!!もう抑えきれないの………私、どうすれば良いのバルト!!!」

涙を流し訴える様に叫ぶヴィヴィオの様子にバルトは言葉を失う。

(何をしてる。もう答えは決めただろ………)

零治と話し、もう心は決まっていた。………だが、言葉を発せない。

「答えてよ………」


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