第19話「すいえい」
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放された気分だ。清々しい。
「ふぅ...疲れたっと。」
「...正直、遼先輩がここまではしゃぐとは思いませんでした...。」
俺がプールから上がり、座り込むと美紀がそんな事を言ってきた。
「銃関連にはそれなりにプライドがあるからな。遊びでも負ける訳にはいかないんだ。」
「父親には負けてるけどねー。」
「親父はチートだから。」
うん。あの人は着の身着のままで戦争に行って生還するから。
「....せっかくだから私も水鉄砲で遊ぶか。」
「あら、相手になろうかしら?」
胡桃が俺の置いた水鉄砲を手に取ってそう言う。
それに悠里が反応する。
「りーさんが?」
「ええ。せっかくのプールだもの。私も楽しむわ。」
実際は久しぶりに水鉄砲で遊んでみたいんだろうな。
「じゃあ私達は私達で遊んどこっか。」
「うん!みーくんとけーちゃんも遊ぼー!」
蘭たちは蘭たちで遊ぶようだ。
「はふぅ...久しぶりだから、さっぱりしたわ....。」
「あ、先生。」
先生も俺の方にやってきて、休む。
「...皆元気ね...。」
「何気に体を動かし足りてませんからね...。」
それに暑いから普通に運動するのは億劫になるし...。
「そうね...こういう日も、悪くないわね....。」
「そうですね...。」
二人してのんびりと座って水鉄砲で遊んでいる皆を見渡す。
...そこでふと先生が視界に入る。
「っ......。」
「....?どうしたの?」
「い、いえ....。」
なんというか....水に濡れて先生が色っぽく見えた...。
普段、少し俺たちぐらいの若い雰囲気を出してるから余計に....。
「顔赤いわよ?」
「....この日光ですからね。日焼けでもしたんだと思います。」
適当に嘘をつく。
先生の水着姿を見て少し意識してしまったなんて言える訳がない。
「....はぁ...。」
「...どうしたの?」
ふと溜め息を吐いた俺に、先生が聞いてくる。
「...いえ、なんだが場違い感が...俺だけ男子だし...。」
見渡す限り女性ばかり。
...なぜ男の生存者がいなかったし...。
「(...そのせいで余計意識したのかもな...。)」
男は俺一人。他は皆女性だ。しかも皆可愛いと言える程。
...おまけに今日は水着姿。意識するのも仕方ない...か?
「(いやでも、先生を意識するのはおかしいだろ...。)」
生きるか死ぬかの日々で生徒も先生もないと思うが。
「ふぅ.....。」
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