暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
マザーズ・ロザリオ-Fly me to the sky-
第百三話
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珪子にひよりとの会話から、自然とリズの頬が熱くなってしまうが……それはともかくとして。

「世話をかける。以前、今度来る時は客として来ると言っていたのだがな……」

 セブンとは対照的にブラックのままコーヒーを飲み込むスメラギが、今思い出したかのようにそう呟いた。リズはその場に居合わす事はなかったが、《聖剣エクスキャリバー》入手クエストの少し前に、セブンがお忍びでALOに来ていた時、このリズベット武具店に訪れていたらしく。ボディーガードから逃げていたセブンを、キリトとルクスが助けてこの店に一時隠れていたそうだ。

「じゃあ何か用意します? 使う武器とか」

「そうだな……では、カタナを頼めるか?」

 接客モードって応対したリズに答えたスメラギが要望したのは、リズにも馴染みが深すぎるカタナ。このリズベット武具店において最も傑作なカタナと言えば、もちろん助手であるショウキが持つ日本刀《銀ノ月》であるが――あれは非売品だ。というかカタナとして販売していいか、という点もある。

「そうね……じゃあこれリスト。見てみてくれる?」

「ああ。ふむ……ふむ」

 渡したカタナのリストを集中して眺めだすスメラギは、どことなく研究者のような雰囲気を感じさせた。話しかけることすら躊躇ってしまうようなその集中力に、セブンは完成したミルクコーヒーに息を吹きかけ、飲めるように冷やしつつ苦笑する。

「あーあ。こうなると長いわよ」

「スメラギさんは現実での知り合いなの?」

「ええ。助手みたいなものよ」

 助手――まさかアイドルの方ではあるまい。VR世界の博士としての助手ということなら、研究者というのもあながち間違ってはいなかったらしい。助手というところに得物は日本刀と、ますますどこかの誰かさんと似ている気がした――その当の本人もそう思ったのか、ショウキも自身のコーヒーを飲みながら苦笑していた。

「しかし、コーヒーなんてこのVR世界にもあるのね……」

「あたしも最初ビックリしたわ。助手が美味しく淹れてくれるし、ありがたいけどね」

「はいはい」

 不思議そうに湯気がたっているカップを見て呟きながら、セブンはようやく砂糖たっぷりのコーヒーを飲み込んだ。一口飲んだ瞬間に目を見開き、カップを机の上に置いて興奮したようにショウキにまくしたてた。

「美味しい……ショウキくん、店だせるわよ、お店!」

「ほとんど原形留めてないぞ、そのコーヒー」

 そこまで褒められたショウキだったが、飄々とカップを指差しながらそう言ってのける。リズにセブンが指の先を追ってみてみると、そこにはすっかりセブンがカスタマイズされたコーヒーは、まるでココアのように変化していた。

「い、いいじゃない……わたしはミルクと砂糖いっ
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