暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
マザーズ・ロザリオ-Fly me to the sky-
第百三話
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を聞くとショウキが何かしたようであるが、その銀髪の少女のことはリズも知っていた。……むしろ、今ALOをプレイしている者で、その顔を知らない者はいまい。

「……セブン!?」

 トップアイドルにしてVR博士、七色・アルシャービン――と同じ姿をした、音楽妖精《セブン》。現実世界と同じ姿だがSAO生還者という訳ではなく、VR研究者という肩書き――いや、アイドルの方か――によるものだろう。

「知っていてくれてありがとう。会えて嬉しいわ、リズベット」

「それは……あたしもだけど……」

 困惑するリズの手を握ったセブンが、雪崩のように言葉を叩き込んできた。そんな事態をリズの脳内が処理するより早く、セブンとリズを引き離す手があった。

「困っているだろう、セブン。……すまない」

 セブンのボディーガードのように立っていた、長身のウンディーネの青年。確か《シャムロック》のトッププレイヤーであり、名前を……《スメラギ》と言っていた。そうしてリズが記憶を探っている間に、割って入られたセブンが不満そうな表情でスメラギを見上げた。

「スメラギだって今まで、夢中で武器見てたくせに。……でも確かにそうね。いきなりごめんなさい、リズベット」

 深々と頭を下げるセブンの後ろで、スメラギが咳払いとともに後ろに下がっていた。痛いところを突かれたら、照れ隠しとともに仏頂面で平静を装う――スメラギのそんな様子がどことなく、コーヒーを用意しに行った『彼』にとても似ていて。

「ううん、こっちこそごめんなさい」

 リズの心中に勝手に笑みがこぼれたのとともに、おかげで少し余裕が出てきていた。謝罪でセブンの頭を上げさせると、とびっきりのお客様への笑顔を晒す。

「リズでいいわよ、セブン。今日はこのリズベット武具店にどんなご用?」

 ショウキが用意した四人分のコーヒー――砂糖とミルクはセルフサービスだ――を飲みながら、ひとまずセブンの話を聞くことにした。といっても何か用があった訳ではなく、このALOという世界を見て回っていたらしい。

「せっかくこんな綺麗なVR世界に来たんだから、色んなところ見たいのに……スメラギが止めろって」

「当然だ」

「……まあ、ボディーガードとしてはそうだろ」

 しかして今やこのALOにおいて時の人と呼ぶべき彼女が、ただの観光として歩き回れる筈もなく。結局は騒ぎとなってしまい、以前来たことがあるらしいこの店に隠れたそうだ。

「なに? ショウキくんはスメラギの肩を持つの?」

「そういう訳じゃないけどな……」

 淹れられたコーヒーにミルクと特に砂糖を投入しながら、細かく味の微調整をしつつセブンはショウキをジトリと睨みつけた。髪をクシャクシャと掻いているショウキを見ると、学校での
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