暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
マザーズ・ロザリオ-Fly me to the sky-
第百三話
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香が怒鳴り散らそうと前を見ると、珪子から携帯端末を差し出されていた。

『ショウキさん!』

『……シリカ?』

 その携帯端末の中に映っていたものは、ALOにあるイグドラシル・シティの一等地に構えられた、見慣れたマイホーム《リズベット武具店》の店内。そこで上下に映るカメラから、日本刀コレクションを眺めるショウキの姿があった。

「この前、ピナに撮影してもらったんです!」

 そう言いながら、自慢げに珪子がない胸を張る。カメラが上下しているのは、頭の上に乗せたピナが撮影しているかららしい。いきなり何なんだ――という気持ちはあったものの、里香も気になることは気になるので、三人でその携帯端末を眺めることにした。

『……相変わらず、凄いコレクションですね……』

『いい加減数がな……』

「あっ、ちょっと珪子。そこ止めて」

 若干引いているシリカに対し、むしろどこか誇らしげにショウキは語っている最中、里香から録画のストップがかかる。珪子は言われたままに携帯端末を停止させたが、そう言った里香は画面を何も言わずにジッと見ていた。

「里香さん、どうしたんですか?」

「間違いないわ。アイツ……また黙って手に入れてきたわね」

 画面の中のショウキが手に持っている小振りな日本刀二本をズームし、里香は間違いないと確信する。その二本の小太刀は今まで見たことはなく、恐らくショウキが新たに手に入れてきたはいいものの、どこにしまうか考えていたところなのだろう。

「まったく、相談もなしに!」

「里香、もしかして全部覚えてるんですか……?」

「あー……えっと。再生、しますね?」

 新しい刀かそうでないか分かるということは、つまり――と、苦笑いとともに発せられた、ひよりの言葉は里香に届くことはなく。ひとまず里香の用が済んだようなので、珪子はもう一度携帯端末を再生させる。

『で、シリカはどうしたんだ? 武器の修理か?』

『今日はですね、ショウキさんはリズさんのどこが好きなのかなーって、聞きにきました!』

「ストップ! ストップ!」

 画面の中のショウキがピクリとも動かなくなるのと同時に、里香から二回目のストップがかかる。『里香さんがストップって言ったら、ショウキさんも止まりましたよー凄いですねー』――などとうそぶきながら、珪子は再度、携帯端末を停止させる。

「何聞いてんのあんた!」

「聞きたくないですか?」

「……………………聞きたい」

「じゃあ再生しますねー」

 ……という一瞬の攻防の果てに――どちらが敗北したのかは言うまでもなく――再び、ALOの日常の一コマを映した携帯端末は再生される。……再生された筈なのだが、画面の中は停止したようにピクリとも動かなか
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