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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Episode W:
Desine fata deum flecti spectare precando
Eipic1-A移ろいゆく季節〜Trajectory〜
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、いくら犠牲者が出なかったとはいえ本局であれだけの戦闘をされてしまったことへの責任は、スマウグと直接戦い、その報告をしたセインテスト二士にしっかり取ってもらわなければならない』

「待ってください議長! 彼はまだ子供ですよ! 私や、機動一課課長クレフ・マカスキル一等陸佐がリンドヴルム事件すべてに対しての責任を負うとすでに決めていました! どうか再検討を!」

『無論、君やマカスキル一佐にも責任は取ってもらうつもりだ。が、セインテスト二士にも負ってもらう。これは決定だ』

『ちょうど良い機会だ。この際、セインテスト二士を本格的に正局員へ昇格してはどうか?』

『おお。それは良い考えだ。今回の件に目を瞑れば、それ以外は50年、いや100年に1人の逸材』

『うむ。非常勤の嘱託などにしておくには勿体なさすぎる』

『ですが、セインテスト二士が今住んでいる世界には義務教育という制度があり、残り3年は従事しなくてはならないのでは?』

『私たちとの元々の契約は、彼の正局員への昇格はその制度を終えてからというものだったはず』

男性将官たちの会話に女性将官2人が割り込む。円卓メンバーの男性局員は管理局優先、女性局員はさらに個人尊重という考えも持っている。ゆえに契約を無視しての昇格は違反だと唱える。そんなメンバーの会話を無表情で聴いているルシリオン。

『で? お前はどうしたい、どうされたい?』

そんな彼に男性局員の1人、ロッキー・サブナック一等空佐が訊ねた。彼は男性メンバーの中で唯一と言って良いほどのルシリオンの味方・・・というほどでもないが、他の男性メンバーの中では中立といったところだろう。

「自分は特に言うことはありません。スマウグの件については逃れることなく責任も負いましょう。正局員にするのであれば、それでも構いません。その代わり・・・寮に部屋を用意してください。嘱託とは比べられない程の仕事量になる正局員。それを遠く離れた管理外世界から通うのは面倒なので」

この時期での正局員への昇格はルシリオンにとって計画通りとも言えるものだった。元より聖祥小学校の卒業と同時に世話になっている八神邸から出る予定だったからだ。ゆえにこの提案は願ってもないもの。

『学校はどうするんだ? 義務教育とか言う制度があるんだろ?』

「自分はあの世界にて、他国の出身だという身分を偽っています。その出身国の学校へ移ると理由をつければ問題ないかと」

『なんだと・・・』

さらりと自らが犯した罪を暴露するルシリオン。不快そうな反応を見せたのは、中将の階級章を付けた男性局員、レジアス・ゲイズのみ。彼は絶対的な正義を信奉し、犯罪者に対しては徹底的に嫌う気がある。普通の人間もそうだが、レジアスはとりわけ度が過ぎるのだ。しかし他のメ
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