第5話『最初のテスト』
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強してたのか?」
俺は大地に疑問をぶつけてみた。
これだけ小学校のまとめができるんだ。きっと復習をしっかりやったんだよ、こいつは!
俺はそうだと信じ、大地の返答を待った。
「いや全く」
よし、排除しよう。
最近マンガで見た“ドロップキック”とかいうヤツでもお見舞いしてやるか。
「わー待て待て、落ち着けって! 何か目が怖いって!」
「これが落ち着いていられるか!」
俺の怒りの形相に焦ったのであろう、大地は即座に俺を宥めようとしてくる。
「いや、小学校の復習はしたよ、うん!……2時間ぐらい」
「お前、絶対そこ動くな──」
そこまで言いかけた俺の言葉は、ドアが開く音で遮断された。
何かと思い、俺と大地は同じタイミングでその方角を見る。
「お兄ちゃんたち、近所迷惑だよ」
「「……はい」」
そこには「迷惑だ」と言わんばかりの…というか既にそう言った智乃の姿があった。
そしてそう注意した直後、リビングから姿を消した。
もちろん、この言葉を言われてもなお喧嘩を続けられる程、俺たちはヤンキー染みてない。ひとまずは喧嘩を止めてくれたことに感謝しておこう。
「2人とも情けないねぇ。智乃ちゃんに言われただけで喧嘩止めるとか、ビビり?」
ふと、ドアとは正反対の方角から声が聞こえてきた。無論、このリビングに俺と大地以外は1人しか居ない。
そう思って俺は振り向いたのだが、そこに見えた光景にさすがに口を開かざるを得なかった。
「人の許可も得ずにマンガを勝手に読む奴は、一度ビビりを経験してこい」
「え、何のことかな〜?」
俺の目の前に現れたのは、ソファに横たわりながら本棚に置いてあったマンガを勝手に読んでいる、莉奈の姿だった。
あまりの状況についつい変な言い方をしてしまった。
「昔はよく読ませてもらったよ?」
「いや、勉強会なのに漫画を読むのはどうかと思う」
「だってコレ新巻だよ? 晴登買ったんでしょ?」
「まぁそうだが」
「晴登の家って色んなジャンルの漫画が揃ってるから、読み飽きないんだよ」
「俺ん家は図書館じゃねぇ!!」
なるほど、わかったぞ。
なぜこいつがワクワクしていたのかが。こいつは…俺ん家に“マンガ”を読みに来やがったんだ!
そりゃそうだよ。“勉強よりスポーツ派”の莉奈が、勉強を楽しみにする訳がない。
だがしかし、早くマンガを読むのを止めさせなければ、莉奈どころか俺のテスト勉強も捗らない!
どうしたものか・・・ん? 待てよ?
確かこいつは“勉強よりスポーツ派”の前に“花より団子派”じゃなかったか? そしてこいつにとっての『団子』とは
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