第5話『最初のテスト』
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・・」ガチャッ
「よっ!」
「どーもー!」
「うわっ!?・・・って何だ、2人で来たのか」
俺が玄関のドアを開けた瞬間、大地と莉奈が雪崩込むように入ってきた。あまりの勢いに尻餅をつきそうになったが、何とか持ちこたえた。
「今ビックリする要素あった?」
「無いよな」
「いや待ておかしい」
人ん家に入るならマナーってものがあるだろ。なぜそれに気づかないんだ? 普通はドアを開けた瞬間に飛び込んでは来ないよ。
「まぁ早く勉強やろうよ!」
「そうだぞ。お前が言い出したんだからな」
「はいはい。こっちだ…」
莉奈がいつにも増してノリノリなのは気になるが、大地の言い分が最もなので、まずは2人を連れてリビングに向かった。
「お! 整理されてるね〜」
「あ、あぁ…」
莉奈がリビングに入って早々言った。
というか、さっきまでもう少し散らかってた気がするんだが? 智乃が掃除してくれたのかな。
「このお菓子食っていいか?」
「えっと…いいぞ」
今度は大地が、リビングの真ん中にあるテーブルの上の菓子類を指差しながら言った。
このお菓子・・・いやテーブル自体さっきは無かった。
やっぱ智乃のお陰か。あいつは面倒見が良かったり、気が利く所があったりと本当に出来の良い妹だ。
…と俺は涙を流しそうになる。いや本当にありがたい。
「さて、始めるぞ!」
俺の一声で、3人のテスト勉強が始まった。
「ふぅ、終わった〜!」
大地の声がリビングに響いた。
そう彼は、今回のテスト勉強の主であるワークをやりきったのだ。
「え、嘘!?」
「早すぎない!?」
もちろん、その超人じみたスピードに、俺たちは感嘆の声をあげる。
「え? 1時間以上はかかったよ」
しかし「え?遅い方だよ?」みたいな反応をする大地に、俺は少々妬みの感情を覚える。
「いや、俺まだ半分なんだけど…」
「同じく…」
俺たちの学力はいたって平凡。このスピードが当たり前なんだが、やはり早い奴がいると自分らが遅いと錯覚してしまうのだ。
「ん〜? 何でだ? これって結構簡単だけど」
「お前にとってはな! そりゃ確かにこのワークは学校から貰った『小学校のまとめ』だけどさ! 俺らこの前まで小6だったからね!?」
そうだよ! 俺らはこの前まで小6。つまり、さほど復習はできていないのだ。
問題が基本問題ならまだ解けるが、意外と発展問題が多いので、俺と莉奈は苦戦している。
まぁ、それらを悠々と解いた奴が目の前に居るんだが…。
「お前春休みとか勉
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