ダークハウンド
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は普通即死だろ? だから俺がもし生身だった場合での勝負なら実質あいつの勝ちなんだよなぁ」
「な、なんか私達の知らない場所で凄い勝負してたんだね、マキナちゃん……。その試合の映像があれば私も見てみたいかも」
「あれは公式試合じゃなくて私的なモンだったからな、映像は残ってないぜ」
「そっか……ちょっと残念」
「そもそもビーティーはマキナとどういう経緯で出会ったの? それにどうしてサイボーグの身体に? 確か『こうしないと生きられなかった』って言ってたけど、あれはどういう意味?」
「質問ばかりだが、要するに俺の昔話が聞きたいわけか。それなら二人とも最初からそう言えっての。……ま、ちょっとだけ出血サービスしてやるか。と言っても自前の血はもうねぇけどな! ぎゃっはっはっは!!」
「リアクション取りにくいよ、それ……」
いつもの事だが突然狂ったように笑い出すビーティーに、段々慣れてきている自分が少し悲しくなるなのは。だが……彼女はどうしてもビーティーを苦手に思えなかった。むしろこんな性格の彼女でも何とかして仲良くなりたいと思っていた。そう思う理由はビーティーが狂笑している時、ごくまれに覗かせる悲哀を感じてから放っておけない気持ちを抱いたからである。
「(なんていうか……似てるんだよね。一昔前のフェイトちゃんやはやてちゃん、そして……私に。ヒトの愛に飢えてた、あの頃の私達に)」
しみじみと考えるなのはを横目に、寝台でもある透析装置の上に横になったビーティーは、天井の向こうに広がる夜の空に囁くように語り始めた。
「さぁ〜て、どっから話すかな? やっぱこういう時は最初からが王道パターンって奴か。そんじゃ、始めるぞ。……俺は、死んだ人間の記憶や能力の全てをコピーするための入れ物として創られた。死者を蘇らせる……自然の摂理に反した愚かな研究の生成物としてな。だが俺には脳と右眼、心臓しかなかった。失敗作だから身体が作れなかったのさ。失敗作は他にも12人いて、そいつらも俺と同様何かが欠けた姿で試験管に浮かんでいた。ある個体は体の右腕と右足が無く、ある個体は皮膚が無くていわば人体模型そのもので、またある個体は内臓が一部生成できず皮膚だけが揺らめいたりと……同族にはそういう目に見えた欠陥があった。俺達を作った女は血反吐を吐きながら言ったよ、『こんな醜いまがい物は娘じゃない』だとさ。……娘か、娘など掃いて捨てるほど生まれてくる。アンデッド同様にな! うっひゃっひゃっはっはっは!! ぐわっはっはっは!!」
内容があまりに重すぎたため、何となくなのははデフォルメされた舞台の上で畑に種を蒔く自分を想像する。舞台の上にある太陽と月が背景の色と共に何度か入れ替わり、畑からにょきにょきとちっちゃいフェイトがたくさん生えてくるが、一人だけ大
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