4部分:第四章
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そういうことであった。また随分と出鱈目な話である。
「結果としてね」
ここまで話したうえでまた彰人に対して述べた。
「他にも一杯あるわよ。けれど今君が言った言葉でやっぱり」
「僕に来るんですか」
「いつもどっからか話を聞いて行動に移るのよ」
まさに地獄耳なのであった。
「もうすぐにね。手遅れよ」
「手遅れでもいいです」
しかしそう言われてもこう言う彰人であった。
「っていうかそんなこと最初からわかっていましたから」
「死ぬわよ」
また咎める目で彼に告げた言葉である。
「本当に。いいの?」
「構いません」
あくまでも己の意見を変えないといった調子であった。
「何があっても。ですから」
「覚悟はできているのね」
「覚悟!?違います」
はっきりとした声で述べた言葉であった。
「本気なんですよ」
「墓石は用意したわね」
彼の話をここまで聞いた日和はこれまた随分なことを言った。
「お坊さん?神主さん?神父さん?どれを用意できてるの?」
「いえ、どれも」
「じゃあ無縁仏ね」
言葉はさらに随分なものになる。しかしそれでも日和は言うのであった。
「まあそうなるのも運命ね。わかったわ」
「それじゃあですね」
「今度の休みまで命が持てばいいわね」
「今日の放課後に」
「放課後!?」
「はい、放課後です」
にこりと笑って日和に述べてきた。
「お兄さんのお家に」
「ってことは私の家でもあるんだけれど」
「ああ、そうですよね」
何故かここではあまり考えてはいない感じの彰人であった。どうやら結構天然なところもあるらしい。自覚はしていないようであるが。
「そういえば」
「自分から死にに行く人ははじめてよ」
ある意味珍しいとまでいうのであった。
「本当にね」
「死にに行くって」
「馬鹿がいるのよ」
鬼とは言わない。これであった。
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