第六話 ポールシフト
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、もう時間がないんです。
あなたには早急に能力の制御法を
身につけていただかなければなりません。
修行は厳しいですよ。
なーんて言うのは嘘です。はっはっは。
なあに、すぐに使えるようになりますよ。自在にね。」
それにしても、その赤いアロハシャツにサングラス。
師匠にしてはなんとも軽率そうに見えるんだけど。
武井さん、あなたもしや、亀仙人のつもりか。
何はともあれ、力の制御は今の百香にとって
最大の課題であることに変わりはない。
「なんだかあまりにもスケールの大きなお話しで、
まだちょっと半信半疑なんですが、
とにかく、私にテレポーテーションの操り方を
教えてくださるんですよね。
でしたら、是非よろしくお願いします。」
胡散臭さ満々だが、ここは武井に身を委ねるしかない。
制御のコツをマスターして、今は一刻もはやく安心したかった。
「テレポーテーションが使える人は、サイキックの中でも最強です。
ですから、パワーを無防備に開放してしまうと思わぬ凶器になります。
これから教えることは、あくまでも私の方法であって
あなたはそれをヒントに、自分なりの制御法を見つけてください。
いいですね?」
「わかりました。」
「では、まず呼吸法から…。」
力の制御にはまず、この呼吸法が大事なのだそうだ。
頭のてっぺんのさらに上辺りを意識しながら呼吸するといいらしい。
次にイメージ法。対象となる物体の移動先を明確にイメージすること。
初心者の場合は、あらかじめ安全に着地できる具体的な場所を
決めておくといいらしい。
そして、恐怖心などの感情を抑制すること。
百香にとってはこれが一番難しいように思われた。
「どうやって感情を抑制するんですか?」
「わりと簡単ですよ。右手を前に出して。
その指先でおでこを丸く撫でてごらんなさい。」
言われるがままやってみる。
「撫でながら、好きな言葉を言ってみてください。
なんでもいいから、繰り返し唱えるんです。
ちなみに、わたしは仏教徒なので、『南無〜』と唱えます。」
「なるほど。」そうかぁ… なにがいいかなぁ…
ってか、やっぱりアレでしょ。
「トンデケ トンデケ トンデケ」
「なんです?それ。」
「恐怖を感じると自然にこの言葉が頭に浮かぶんです。
でも武井さん、極限状態で咄嗟にこんなことできますか?」
「できるかじゃなくて、やるんですよ。」
「はあ…」
「じゃあ、今度はそれを咄嗟に唱える練習をしてみましょうか。
自分の声に集中しながら、おでこを丸く撫でるんですよ。
いいですか? 」
咄嗟にかぁ…。できるかしら…。心配だから一応飛ばす場所
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