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トンデケ
第六話 ポールシフト
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「磁気が反転するんです。」

「反転て…、じゃあ…、S極とN極が…、入れ替わるってことですか?」

武井は穏やかな口調で、またもや想像を絶するとんでもない話しをし始めた。

磁気の衰弱、その原因は磁気の反転、ポールシフトにあるという。
ポールシフトがこの夏、早ければ六月頃から急激に起きるかもしれないと言うのだ。
地質学者によれば、ポールシフトはこれまで、360万年の間に11回も起きていると言う。
最近では77万年前の石器時代にも起きていたらしい。
計算上では33万年に一度起きるとされ、
前回のポールシフトから既に44万年が経過している。
つまり、もういつ反転が起きてもおかしくないと言うのだ。

ポールシフトの前兆として、まず磁場が急激に弱まってくる。
現に、過去160年の間で地球の地場が大きく衰えていることが
科学調査でも確認されている。
磁場が弱まると地球は無防備となり、最長で200年もの間、
放射線がダイレクトに地球へ降り注ぐことになる。
そうなれば当然、地上の生物や電子機器に多大な影響を及ぼす。
70パーセントの生物は死滅し、人工衛星や航空機なども制御不能に陥る。
皮膚がんで命を落とす人も増えるだろう。
NASAの主要施設は二次的被害を避けるため、既に安全なエリアへ移動したという。
また、地殻にも大変動が起こり、大地震や大噴火が頻繁に発生すると予想されている。

「まさか…。それが本当なら、とっくに全世界へ公表されてるでしょ。」

「ばか言うんじゃない。そんなことをしたら世界中がパニックになる。」

そうは言っても、そんなこと、にわかには信じられない。
地球上を揺るがすようなそんな大事件が、もうすぐ起こるっていうの?

「あのう、それどなたからお聞きになったんですか?」

「地球防衛軍」

「はっ? やだ、それってウルトラマンでしょ?」

「まあ、嘘っぽく聞こえるでしょうが、でも似たような組織が実際にありましてね。
 で、本部の上層部から我々に、力を貸してほしいって言ってきてるんですよ。」

「我々って… え? 私たち…ですか?」

「今、世界中のサイキックたちに招集がかかってるんです。
 でね、できれば、あなたにも協力してもらいたいんですよ。」

「わたしにも? いったい、なにをしろっていうんですか?」

「実はね、地球のコアの近くから、とんでもなく“でかいもん”が
 浮かび上がってきてるんです。
 そいつをみんなの力で、うーんと遠い時空の彼方へ
 丸ごと飛ばしてしまおうっていう作戦なんですがねぇ。」

「はあ…… はあ?」

“でかいもん”て何…?
ポールシフトとそれと、いったいどんな関係があるっていうの?

「と言うことでね
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