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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
2-3 自分の意味を知りたくて
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、問屋町を襲った降魔や、上野公園を襲った怪蒸気たちの姿と、奴らによって荒らされた街や襲われた人々の姿が蘇る。それに伴って、彼は自然と拳を握っていた。
「あたしは帝国華撃団、花組として司令室に行って来ます!ではジンさん、あたしはこれで!」
さくらはその言葉を最後に、ジンの前から急ぎ足で去って行った。
これから、彼女の初陣が始まる。人々の幸せ、平和を守るための戦いに…。
だが、ジンは行くことができない。なぜなら彼は、正規の隊員ではない。それに、あの赤い巨人の力をどう扱えばいいのかも、自分がこんなときなにをするのが正しいのかもわからないのだ。
すると、そんなときだった。

「久しぶりね、『ジン』君。本当に目を覚ましてくれたのね…」

さくらとは別の女性が、彼女が去った中庭の入り口の方面から現れた。見ると、緑を強調とした軍服を着ていて、茶色の髪を頭の上に綺麗に巻き上げている女性がそこにいる。
「あなたは…?」
その女性と始めて会った気がしなかった。もしかして、以前も彼女と顔を合わせたことがあるのだろうか。そう思いながらジンは彼女に尋ねた。
「…米田支配人から聞いていたけど…やっぱり辛いわね」
その返答に対して、女性も困惑した様子だった。だが他にも、寂しげな目をしていた。
だが彼女は気を取り直して、ジンに自己紹介した。
「私は藤枝あやめ。この『大帝国劇場』で働いている者よ」
自らを『藤枝あやめ』と名乗ったその女性は、敢えて初対面の相手にするように挨拶をした。

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