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SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
Roh×戦士達 《三話─Flower:Snow drop》
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ライトエフェクトを纏った銀色の薙刀が、二足歩行で動く蔓植物の頭から地面までを綺麗に縦一閃。左右に割れた身体が、ガラス片のように砕け散る。
薙刀の熟練度900で使えるようになるこの重単発攻撃、《剛断》は、片手剣系のヴォーパルストライクのように射程こそ伸びないものの、薙刀スキルの中でも随一の単発攻撃力を持ち、出も早いため締めの一撃などに非常に使いやすい。

「ふぅ……ユミル無事だな」
「う、うん、平気……というか、リョウさんあっと言う間に倒しちゃうからこっちに来る暇も無かったと思うよ今のモンスター……」
「はっはっは。この程度の階層の連中が一撃必殺できねーんじゃ、攻略組の名がすたるってもんよ」
まぁ、とはいえ、最前線とたった三層しか違わぬこのフィールドでそんな事が出来るのは、単純にリョウのビルドが筋力一極型であり、かつ、装備している薙刀が柄と刃、全体が金属で出来た重量タイプの薙刀だからだ。リョウ自体、これでも攻略組トップの単発攻撃力を持つとさえ言われている身。其れがユミルの護衛に役だっているのは、リョウとしても重畳であった。

「さて、問題無いならガンガン進むぞ。時間ももうあんまりねぇからな」
「うんっ」
コクリとユミルが頷いたのを確認して、二人は再び行軍を再開する。
ユミルとの行軍は、少なくとも此処まで特に問題も無く、順調であると言えた。基本的にモンスター達はリョウ達の正面に出て来たし、正面の敵と言うのは基本的に殆どリョウを狙ったので、大抵の場合リョウの暴力的な火力で一方的に制圧する事が出来た。
ユミルには言っていないが、ハーラインから受け取った腕環は二つあった。内一つは、ユミルに渡した憎悪値(ヘイト)を低下させ、隠蔽率を上げる物。そしてもう一つは、今リョウが左腕の見えない位置に付けている金色の腕環だ。この腕環の効果は、ユミルのそれとはまったく逆。周囲のモンスターの憎悪値を自動上昇させると言う効果。
これら二つを護衛対象と護衛者其々が持っていれば、プレイヤーの護衛はよりやりやすくなる。こう言った憎悪値操作の工夫は、他のMMORPGでも良く行われている事でもある。用は、ボス攻略などで良く使われる、タンクプレイヤーの咆哮(ハウル)スキルを形を変えて行っているだけだ。

『それで持ちゃ良いんだがな……』
そんな風に考えながらリョウが歩いていると……

「おっと」
道端に咲いていた花の一つを踏みかけた事に気が付いて、リョウは慌てて其れを避けると、その花が目に付いた。

「……なんだ、此処にもあんのかよ」
「へ?」
驚いたように言ったリョウの視線の先をユミルが覗きこむ。其処には、白い花が咲いていた。白い花弁を地面に向けて頭垂れるように垂らした花だ。茎は青々として居て、其れは雪の中で妙な存在感を放っていた。

「綺麗な花だ
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