暁 〜小説投稿サイト〜
SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《ニ話─買い物にて》
[2/19]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
一本入った所にある裏道でリョウさんは周囲をきょろきょろと見回しながら歩く。大凡準備というのは、ボクの装備を整える事が主なのだとリョウさんは言った。それもその筈だと思う。ルビーを助ける事が出来る唯一の可能性を求めてこれから行くのは、第47層と言う最前線からたった数層しか離れていない、現在の階層の中では明らかな高層域にあたる場所なんだから。

ついこの間までボクが居たのは、第22層。当然、レベルもそのレベル帯に対する安全マージンしか取って居ない。47層は、そのレベルよりも遥か上のレベルのモンスターが出現する階層で、今の僕が行けば掠っただけでも即死は免れないし、装備を整えたとしても危ういくらいで、本来ならば主街区を覗きに行くだけならばともかく、フィールドに出るなど絶対にしてはいけない筈の階層。
怖くない、と言えば嘘になる。けれど今のボクには戦って死んでしまう事より、このまま何もせずに、ルビーの事を本当に死なせてしまう方がずっと怖かったし、少しでも可能性があるなら、その可能性を諦めたくも無かった。

「お、此処だ此処だ」
「ほぢっ!?」
「ん?」
と、不意に立ち止まったリョウさんに考え事をしていたボクは即座に反応出来ず、そのままリョウさんの背中に突っ込んでしまう。だ、ダメダメだボク……

「〜〜〜〜ッ……」
「お前何やってんだ。ぼーっとしてると棒に当たるぞ〜」
鼻を押さえてフラフラと後退したボクを、振り返ったリョウさんが呆れたような顔で見た。

「ご、ごめんなさい……って、何で棒……!?ぼ、ボク犬じゃな……!」
「はいはい行くぞ〜」
抗議しようとしたボクの言葉を無視して、リョウさんは実に楽しそうに笑いながら目の前の宿に入って行く。絶対からかわれてる……!!

「んーと、お、おうエギル!」
「おう。来たか」
「……!?」
宿のフロントらしき場所の中に入ると、その一角に向けてリョウさんが片手を上げる。と、其処で僕等を待っていたのは、チョコレート色の肌をした、とても彫りの深いスキンヘッドの男の……って、こ、怖……!?

「ん?その子が例の子か?」
「おう、今回の依頼人だ」
「……!?あ、ああ、あの、ぼ、ボク……」
その顔によく合った重みのあるバリトンで喋るその人が、ボクの事を一瞥する。其処から不思議と滲みだす威圧感に圧されて、思わず声が裏返ってしまった。
が、彼はボクを見て一瞬驚いたような顔をすると、リョウさんに向けて手招きする。

「あ?」
怪訝そうな顔でリョウさんが彼に近づいて行くと、その人は行き成りリョウさんの肩を掴んでその顔を覗き込み、極真剣な声で言った。

「誘拐の片棒ならかつがねぇぞ」
「あぁそう、かいっ!!!」
「Oh!?」
「わっ!?」
いきなりのあんまりな発言に怒ったのか、リョウさん
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ