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SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《一話─始める為の出会い》
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、一度だけでも良いから……!」
「……んなこと言ってもな……」
先程までとは打って変わって驚くほど頑なな様子で主張し始めたユミルに、リョウは少なからず戸惑う。「このゲームの中で死ねば、現実世界でも死ぬ」その絶対的な不文律が有る以上、この状況下で諦める以外の選択肢が無い事位は、彼とて理解してくれると思っていたのである。
しかし……

「ボクは……!ボクは……」
「あー、駄々捏ねんな!お前とルビーの、どっちの命が大事か。なんつー馬鹿な質問すんのは御免だぞ!」
「それはっ……!でも……!うぅぁぁああっ……!」
頭を抱えてユミルは唸る。泣いているような、怒って居るような声と共に、小さな身体が震える。どうしようもない事実と、自らの望む結末との間で、その心が揺れ動いている。と言っても、もしも彼が妙な事を考えたなら、その時はリョウは全力で止めるつもりだった。
自殺を是としないリョウにとって、流石に此処まで関わった相手を殆ど確実に死ぬと分かっている場所へ送る訳にはいかないからだ。
最悪“一歩手前”。等と言っておいてあれだが、結局のところ結論は初めから決まって居たのである。

「……一応、疑わしいとこに行って調べては来てやるがな……其れにも、お前をつれてくわけにはいかん。当然心アイテムももっていけねぇから、何れにしても、期待はすんなよ」
「…………」
つくづく何と言うか、自分はオブラートに包むのが下手くそだな。とリョウは思う。とは言えこればっかりはオブラートも糞も無い。ただ、事実を告げるしかないのだから。

「でも……でも……」
「まだ何かあるか?」
「っ……〜〜〜っ!」
話は終わったと言わんばかりに突き離すような言い方で返したリョウに、ユミルはついに黙り込んだ。
同情はする。気持ちが分からない訳でもない。だが甘い言葉で誤魔化した所で、同情で希望的な事を言った所で、現状と言う事実は変化しない。
落ち着かせる事は後でも出来るだろう。ただ今必要なのは、彼を納得させることだけだ。

「……まだ、まだ何も……!なのに……!なのに……こんなのっ……!」
「……そういや、お前の事もルビーの事も何も知らねーな。お前らどの位一緒に居たんだ?」
頭を振って、言ったユミルに、リョウは何気なくそんな事を聞いた。これだけの愛情を持っていたのなら、きっと長い付き合いだったのだろう。
その相棒関係を足場に、彼の事を少しでも落ち着かせるつもりだった。

「……一日です」
「え……一日ってお前……そんじゃ、出会った次の日に使い魔死なせたのか?」
「っ……!」
突然、其れまで顔を伏せていたユミルが一気に顔を上げた。相変わらず瞳しか見えなかったが、その瞳が怒りと悲しみに揺れているのはリョウにもよく分かった。

「違うっ……!ルビーは……っ、ルビー
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