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SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《一話─始める為の出会い》
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き、誘いし獣の心を癒す』ってんだとさ」
「獣の、心……」
そのフレーズだけを小さな声で繰り返して、ユミルは小さな拳を握りしめる。その様子に頷いて、

「他の文章はともかくとして、其処だけはまぁ、心アイテムと関係が有りそうだと言えなくもねーな。現状アインクラッドに転がってる中で、少なくとも俺が調べられる限り、これが唯一の手がかりだな……ただな、これは……」
「行きます!お願いします!連れて行って下さい!」
「話を最後まで聞けっ!!」
「あうっ!?」
ズビシッ!とフードの上から指先で額を一突きされて、ユミルは思いっきりのけぞる。

「ったく、そもそもそんなアイテムが有るとして、タダで手に入る訳がねぇだろが!」
「う……」
腕を組んで軽く苛立ったように言うリョウに、ユミルは黙り込んだ。とは言え、彼にとってはのんびり話しているような時間は無いのだが……

「いいか、低い確率に時間の無いお前がとにかく賭けてみるってのは、まぁある意味じゃ合理的ともいえなくもねぇがな、それでも慎重さを失うんじゃねぇよ。そもそも、今言った情報の場所が何層だか分かってんのか?47層だぞ?」
「47……!?」
その絶望的な数値を聞いた途端、ユミルの顔が青ざめた。
何故ならユミルがついこの前まで狩りをしていたのは第22層。47層との差は実に25層である。其れはユミルのレベルでは危険地帯どころでは無い。完全に即死圏内(デッドライン)だった。
だが……だがそれでは……

「そんな……そんな……っ……ルビー……、ルビー……っ!」
「……お前の使い魔の名前か?」
カタカタと震えながらも、ユミルははっきりと頷いた。「そうか」と短く返して、リョウは溜息を吐きながら言う。

「……正直な結論を言うぞユミル……これ以降は泣いて良い。……ルビーの事は、諦めるべきだ」
「…………」
ユミルは何も言わず、ただ首を弱弱しく、嫌々するように横に振る。しかしそれに構っている事は出来ない。これは、彼自身の命にかかわる問題なのだ。
そもそもユミルが求めている、「使い魔の蘇生方法」と言う要素自体の存在が不確定な上に、時間も全くない。つまり、どう頑張っても準備期間が足らな過ぎるのだ。にもかかわらず、向かうべき場所の危険性がユミルにとって高すぎる。ほぼ命を落とす場所に行くのに、目標はあるかないかも定かではない使い魔の蘇生方法。
要するに、危険性(リスク)と|見返り(リターン)の採算が、全く取れていないのだ。

「お前だって分かんだろ?どう考えてもいくべきじゃねぇって……」
「……いやです……いやだ……!」
「チッ……オイ、死んだら何にもならねーじゃねぇか。お前の使い魔だって死んでまで……」
「嫌だ!ボクは……ボクは……!もう一度ルビーに会うんです!もう一度……!せめて
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