暁 〜小説投稿サイト〜
SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《一話─始める為の出会い》
[8/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
かよ……」
「…………」
今から情報を集めるにしては少々短いタイムリミットにリョウは焦りながら、自分の知る限り最も情報の出が早く正確なとある情報屋に知りたい事の情報を送付する。

「……ユミル、最初に言っとくぞ」
「……は、はい……」
「俺もこんな事言うのは癪だが……“最悪”は覚悟しとけ。運にもよるが、事としだいによっちゃありうるからな」
「っ…………!」
フードの向こうで、目を見開く気配がした。
膝の上に乗せた手の平が、カタカタと震えているのが分かる。恐らく彼に想像しうる最悪の結末は、同時に彼にとって最も想像したくない結末だったのだろう。しかし、其れを想定させなければならないほどに、とにかく時間が無い。何しろリョウの勘が正しければ、もしその手の方法が存在するとして、其れは恐らく……

「はええな。もう来やがった」
と、視界上に浮かんだ新着メッセージありの表示に反応して、リョウがメッセージウィンドウを開く。リョウの言葉一つ一つに対してユミルがビクリと反応しているように見えるのは、決して気の所為などでは無いだろう。先程リョウが言った言葉の意味を考えれば、彼にとってはある種、肉親の死亡告知を聞く前ような気持ちなのかもしれない。
メッセージの内容に一通り目を通して、溜息を一つ付くと、腕を組んで向かい合ったユミルを見る。

「さて……ま、結論から言うとだな。「最悪一歩手前」ってとこだな」
「一歩、手前……」
すがるかのように、ユミルはその一言を繰り返す。頭の中で言いたい事を整理して、リョウは話し始めた。

「まず前提として、現時点で使い魔を蘇生する方法ってのは、このアインクラッド内の誰も知らんらしいな。詰まる所、確実に蘇生できる方法は……無い」
「えっ……」
呆けたように、目を見開いたユミルは、リョウの顔を見て黙り込む。やがて、フードの向こう側に見える瞳に透明な滴が溜まりだし……

「ち、ちょっとまて!泣くな!てか泣くにしてももうちょい後にしろ!」
「う……うぅっ……」
慌てた様子で泣くこと自体を制止したリョウに、ユミルがしゃくりあげながら震える。

「えーとな、そいで……あぁ、そう、その方法なんだが……」
「な、なにかあるんですか……!?」
「さっき言ったろ、“確実”な方法はねぇ。ただ、情報だけなら……な。其れっぽく聞こえない事も無い事を言ってる爺さんのNPCが居るんだと……けどなぁ……」
「ど、どんな話……ですか!?」
「…………」
涙声のまま、けれども身を乗り出すような剣幕で聞いてくるユミルに、またしても気押されつつ、リョウは溜息がちに話しだす。

「えーと?『花の野の彼方は、(うつつ)の彼方、彼方にて降る(しずく)は種を濡らす。滴を纏いて種は根を張り、現の恵みにて芽吹き、想いを糧とし花開
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ