暁 〜小説投稿サイト〜
SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《一話─始める為の出会い》
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ながら、リョウはトントントンとこめかみに指を何度か当てると息を吐き、未だにフードを深くかぶって顔の見えない子供に聞いた。

「とりあえず、自己紹介と行くか。俺はリョウコウだ。リョウで良い。お前、名前は?」
「…………ユミル、です」
もう幾分か回復した声で、彼は言った。枯れ果てていた先程までの声と比べると、まるで別人のように澄んだ声だ。声からして、やはり子供らしかった。

「ユミル、ね。んで?お前、あんなとこでぶっ倒れて、飯も食わずに一体何してたんだよ。助けが居るとか言ってたか?」
「は、はいっ、はい……!」
その話題を振った途端、ユミルはまるで其れまで静かだったのが嘘のように身を乗り出した。

「あ、あの、ボク……使い魔が居て、それで、その仔がころ……死んでしまって……」
「ふむ」
「その……その仔を、蘇生させてあげたいんです。お願いします!助けて下さい!!」
「あ、あー……蘇生……?」
ガバッと頭を下げたその剣幕に気押されるように、リョウは後ろ手に頭を掻いた。

「えーと、な……何だっけ、確か、使い魔って死ぬとアイテム落とすんだったか?」
「はい……」
何はともあれ、リョウは脳内から覚えている限りの使い魔に関する知識を引っ張り出す。現在確認されている情報によると、|獣使い《ビーストテイマー)と呼ばれる、フィールド上のモンスターを一定確率で飼い慣らし(テイム)する事に成功したプレイヤーたちが所有する、《使い魔》と呼ばれるモンスターたちは、なんらかの要因で死亡する時、「心」と言うアイテムを落とすのだと言う。
しかしその「心アイテム」は、三日が立つと、自動的に「形見」と言うアイテムに変わるのだと、何処かで聴いた気がした。

「ってぇと、お前はその、“心”だか“形見”だかを持ってると?で、それ、蘇生できるのか?」
「わ、分かりません、でも……心アイテムが形見アイテムに変わるまでの三日間は、使い魔の蘇生猶予期間かもしれないって噂が有るって聞いて。それで、攻略組の人ならって……!」
「わ、分かった分かった!」
凄まじい必死さで迫って来るユミルに気圧されるようにリョウは上体を逸らして両手を上げ、待て待て、とするようにユミルの方に掲げる。

「……とりあえず、俺はビーストテイマーじゃねぇから、先ずその当たりの情報に詳しいわけじゃねぇ。ひとまずは知り合いの情報屋に聞いてみるとこからだな……で?お前の使い魔が死んだのは何時なんだ?」
「……12月31日です」
「成程大みそかの日ね……ん?」
言われた言葉を当然のように反復して、頷いてから、リョウは首を傾げる。
はて、今日は1月2日、ユミルの使い魔が死んだのが12月31日となると、タイムリミットは今日の0時だ。今が夜の七時半だから……

「後……四時間半しかねェの
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