暁 〜小説投稿サイト〜
SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《一話─始める為の出会い》
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首筋の辺りが妙な冷や汗をかいているのをリョウは自覚する。

『ったく……』
……せめて、別の角度から考えてみよう。もし彼に目的を達成させようとするなら、どうすればよいのかだ。
先ず、前提として自分が付いて行くのは絶対だ。この要素なしにユミルが目的を達成できる確率は、限りなく0に近い。
とりあえず回復アイテムを持てるだけ持たせ、防具を全力で強化させる。武装は取りまわせる範囲での盾。ただし、必要以上に行軍速度を落とす事は出来ない。もしその手の手段が有るとすれば、少なくともダンジョンやフィールドの入口であろう筈は無いからだ。
モンスターは可能な限り自分が相手をする。欲しい所で言うなら《威嚇(ハウル)》スキルだが、手元には……

『いや……』
先程のレベルアップ、あれで派性スキル一つ位で有ればとれるかもしれない。そうでなくともダメージ量の調整からなるべくヘイトを自分に向ける形で、いや、それならユミルの方に隠蔽能力の上昇する装備かアクセサリを持たせ、ヘイトが向かないようにする方が……

『くそ……』
だがそれらの対策をしたとしても、このミッションが達成できる可能性は低い。一つでも不足の事態が出たらそれだけで危ないのだ。それくらい、ユミルのレベルが絶対的に低すぎるのである。レベル差が10前後。それだけでも十分に即死の理由になるのに、時間が無いせいでレベル上げの時間すらとれない。

「やっぱ無理だよなぁ……」
「うっ……う……」
そう、結論を出しかけた時だった……不意に、メッセージの着信がリョウの視界に表示される。

「ん……ちょっと失礼」
はて、誰だろう?と思いながら、リョウはメッセージウィンドウを出す。
差出主は、今は家にいる筈の彼の幼馴染だった。そう言えば彼を宿に運ぶ途中で遅くなるか、あるいは今日は帰らない事を伝えたのだったと今更ながらに思い出す。メッセージの内容はそれ程長くは無く、彼女なりに、読む側の手間にならないようにしてくれたのだろうと理解出来る。

[分かりました。頑張って。それと、気を付けてね]
『……頑張って、か』
ふと、リョウは考える。
頑張ると言うのなら、今このように彼を何とか47層まで連れて行こうと考えているのも十分頑張っている部類に入ると思う。例え実益は伴わなくても、必死こいて打開策を練っているのは確かなのだから。
しかしそうだとして、何故こうも自分はこの子供に肩入れするのだろう?
道端に倒れていたから?いや、それなら宿まで運んで話を聞いて情報を与えた時点で十分なほどに肩入れしたことになるはずだ。少なくともSAO内に置いて、何の見返りも求めずに此処までしたら、寧ろ優し過ぎると疑われてもおかしくないレベルである。
だとしたら、自分が今この子供について行ってまでこの子の目的を果たさせるように考え
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