暁 〜小説投稿サイト〜
SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《一話─始める為の出会い》
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はっ!」
その高く澄んだ子供らしい声とは裏腹に、抑えきれないほどの激怒と怨嗟を含んだ声から、リョウはうっすらと彼に起こったことを悟る。

「……殺されたのか……Mobに……?」
「ッ」
殆ど反射的な行動だったのだと思う。だが確かに、ユミルは首を横に振った。行動してからしまったと思ったのだろう。慌てて彼は首を振るのをやめたが、もう遅い。

「……プレイヤーに、やられたってのか」
「…………」
否定も、肯定も帰ってこなかった。先程と同じだ。それでは応えているも同然である。
この子供は、恐らく嘘を吐くのが下手なのだ。

「……何でんなことになった……?お前それ普通じゃねェぞ?」
首を傾げて心底疑問そうに聞いたリョウに対して、ユミルは黙り込んだまま俯くようにして顔を逸らした。小さく息を吐いてリョウは椅子に座り直す。

「……答えたく無い……ってわけか」
言ってから啜ったココアは、もうとっくに冷めてぬるくなってしまっている。

「……友達、だったんです……ボクの……初めての……」
「…………」
沈黙の続いた二人の間で、不意にユミルが言った。

「ボク、現実世界でも、友達がいなくて……だから、ルビーが生まれて初めての友達だったんです……なのに……っ」
「……あー……」
思っていた以上に、どうやら重たい話だったようだ。一瞬、聞くべきでは無かったかもしれないとリョウは後悔する。だが同時に、先程までの彼があそこまで必死だった理由に、リョウはようやく納得する事が出来た。彼は取り戻したかったのだろう。自分にとって大切な、本当の意味でかけがえのない友を。
不意に、目の前で身体を震わせて悲しみに耐える彼の姿が、自分の良く知る一人の少年と重なった。大切な仲間達を必死になって取り戻そうと躍起になって闘っていた一人の少年。彼と今のユミルの状態は、酷くよく似ていたのである。

「…………」
だが、だからと言って彼が死地に赴く事を容認することも出来ない。それではキリトと同じだ。あの時、リョウは自分にキリトを止める事は出来ないと判断したから、彼のしようとしたことを知って尚彼を止めようとはしなかった。だが其れをとサチに知られた時はこっぴどく叱られたものだし、今では、危うく弟分を殺していたかもしれないその判断を、反省もしている。

「(だがなぁ……)」
しかしならば自分が付いて行くか?否。仮にそうしたとしてもこの子供を最後まで護衛しきれるかは分からない。自分が少しでもしくじればユミルは死ぬ。必然的に、彼を連れて行こうとすれば自分は彼の命をわざわざ背負い込むことになる訳で、彼に其処までの義理は無く……

『────────』
「ッ……」
不意に、記憶の中に嫌なイメージが浮かび、リョウは表情を硬くした。
体調が悪い訳でも無いくせに、
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