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SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×剣聖
剣聖×戦士達 プロローグ
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人と言うのは、誰しも一度は失敗する物である。

それがどういう物であるか、そして、その規模の大小を問わなければ、恐らく人類が始まって以来失敗した事の無い人間などと言うのは先ず居ないだろう。
埼玉県川越市にすむ、ある18歳の青年にも、これは当てはまる。その日、青年は何時も通りの時間に目覚め、何時も通りに家事をこなし、何時も通り……とは行かぬ物の、特におかしなことも無く、居間で朝のニュースを見ながら紅茶を飲んでいた。

実は青年、今日は予定が有った。上野で、幼馴染の少女と会う約束をしているのだ。なんでも動物園に行きたいらしい。
別に行かねばならない訳でも無かったが、彼自身今日は暇で有ったため、なんだかんだで誘いに乗った。とりあえず、家を八時半に出れば約束の時間である十時には電車を乗り継いで充分に間に合う。寧ろ十分ほど余裕だ。ちらりと時計を見れば今は八時二分。この紅茶一杯飲み終えても、まだ余裕だろう。まぁそれでも、とりあえず一杯くらいは飲み終えてから行くかな。とリョウは再び一口をのむ。

そのまま十分ほどのんびりしていると、やがて手元のカップから紅茶が無くなってしまった。

「んじゃ、そろそろ行きますかねぇ……」
のんびりと立ち上がって、再び何気なく時計を見る。八時二分。

「ふぅ、にしても……ん?」
はて?おかしくないだろうか?自分が先程時計を見た際にもあの時計は八時二分を指していたような……

「…………」
少々嫌な予感を感じつつ、よくよく壁に掛けられた時計を見てみる。……秒針が10を指している。一秒後、10。二秒後、10。三秒後、10。……時計が止まっていた。

「っ!?」
慌てて彼は自身の目の前に有るテレビが映し出している画面の斜め右上を見る。そこにはしっかりとデジタル時計が有り、そして彼の家の時計が止まっていたからと言って時間が止まっていた等と言う奇跡が有る訳も無く……

八時五十分。

「ま、じ、かよっ!?!!?」
怒鳴るように言って、彼は慌てて傍らの肩かけバッグとジャケットをひっつかむ。カップを洗いおけにぶち込み、テレビを消すと居間から飛び出した。

「わぁっ!?」
と、廊下に出た途端に目の前に従妹の顔が現れる。たたらを踏むように下がった彼女を躱して玄関に向かいつつ、彼は叫んだ。

「スグ、悪い!カップ洗っといてくれ!」
「え、えぇ!?ちょっとりょう兄ちゃん……」
戸惑ったように帰ってくる言葉に事情を説明している暇はない。そのまま靴をひっつかんで履くと、短く返す。

「明日の朝飯当番変わるからよ!」
そう言って、彼……桐ケ谷涼人は外へと飛び出した。

これが、今日、彼が犯した、たった一つの失敗。
他愛も無い。単なる失敗。

実際、これだけならば唯の小さな日常の一ページだろ
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