コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
おまけ!その三
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ぁ食事が貧相なままと言うのは分かっていたが、此処まできっぱり断られるとは……
ためしにサンドを取り出し、ちらつかせてみる。
「んな警戒しなくても毒なんざ入ってねぇぞ?」
そう言うと、ユミルは何が気に障ったのか凄まじく不愉快そうな目でョウを睨む。
「……その保証は、何処にあるの?」
「む……」
いわれて、リョウは言葉に詰まった。
とはいっても、この世界で食物に毒が入っていない物的証拠など示しようが無い。
「そりゃまぁ……俺を信じてもらうしかねぇけどな」
「なら僕は、キミを信頼できない。だからいらない」
「……そうかい」
こう言われてしまっては、どうしようもない。
仕方なくリョウはサンドをかじる。少し固めながら肉汁とソースを吸って軟くなったパンと、肉の触感が絶妙だ。
「うめぇのになぁ……」
「…………」
ふたたび、無言になる。
その沈黙は、七時ごろ、寝る前まで続いた。
────
「んじゃま、俺は寝るぞ。寝込みの心配があんなら……俺が寝た後に寝るか、寝ないか、好きにしろ」
「……ねぇ」
ランタンの明かりの元、寝袋の中に入って寝ようとしたリョウに、それまで沈黙していたユミルが、不意に声をかけてきた。
すこし驚きながらも、勤めて冷静にリョウは返す。
「……ん?」
「……ジン」
「っ……」
「ジンって、キミの事だよね」
「…………」
しかしその話題はと言うと、リョウの余り望んでいない話しの方向性であった。
「ジン、ね……最強プレイヤーとか言われてる彼奴か?」
「とぼけないで」
「…………」
見た目だけで特定されてしまう程有名な名前かと、リョウは内心溜息をつきたくなる。が、かなりユミルは真剣な顔で訪ねて来ている。
これにとぼけ通すのは、少々無理が有りそうだ。
「……そんな風に呼ばれることもあるな。だったら何だよ」
「……オレンジを殺して回ってるって聞いた」
ますます面倒な方向に話が進みそうで、リョウは頭を抱えたくなる。
「あっちが勝手に絡んでくるから自己防衛しただけだ。で?それともあれか?俺の事やたら警戒してんのは、その話のせいか?」
「…………別に」
そういって、ユミルはまた黙りこむ。訳が分からなかった。
「何なんだよ……」
いいながら、リョウは寝袋に潜り込むと、そのまま目を閉じた。
────
八月であるため、夜明けも早く。夜明け前と言ったら四時前には起きなければならない。
「ん……」
耳元でトロンボーンの軽快ながらトランペットと比べると地に足付いた感じのファンファーレが響く。
目をうっすらと開くと、はじめに森が見え、その木々の間に薄暗い空の蓋が見えた。
「ふぁ……熱帯夜……っつーよりは涼しいな。マイナスイオンか…
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