コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
おまけ!その三
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「おいおい、脅かすなよ危うく斬っちまうとこだぞ……」
其処にいたのは、丸っこいシルエットの小さなモンスターだった。
小人かと思えるような二足歩行に、小さな前足。ちっこい胴体とさらにちっこく丸い頭に、くりっとした赤い目。全体的に本体は白っぽく、胴体と頭の間……まあ一般的に言う首部分は、ファーのような柔らかそうな毛がふさふさと、まるでマフラーのようについている。
最も特徴的なのは尻尾と耳だ。
耳はまるで兔のように長いが、兎の耳と言うよりは鳥の羽を引き抜いて左右の頭に付けたような形だ。尻尾は、まるで白く丸いボールのような形状をしており、しかも耳を除けばその大きさは本体よりも大きい。
《ウール・ラビット》
この階層の森や草原エリアにかなり低い確率で稀に出現する非攻性《ノンアクティブ》モンスターだ。
ノンアクティブにしては珍しくプレイヤーを見つけても此方から手を出さない限り逃げることはない珍しいタイプのモンスターだが、湧出する数が絶対的に少ない事と、隠蔽スキルが異常な程高いことからめったにお目にかかれないレアモンスターである。
ちなみに、このモンスターの素材はじつはS級のレア素材に指定されていて、見た目がよく、高い隠蔽能力と防寒能力を誇る尻尾は服職人に人気が高く、《朱玉の瞳》と言うアイテム名の目は、武器強化の際に使用すると成功率を跳ね上げる効果があるため、どちらもプレイヤーショップに売ればかなり金になる。
「はぁ、びびった……ほらどっか行け。もういきなり飛び出してくんなよ」
リョウが呆れたように冷裂を担いでラビットの鼻面をツンッとつくと、ラビットはピィッと声を上げてリョウの周りをぴょんぴょんと跳ねながら回る。そして……
「おっと、とと、あっバカそっちは!」
「わっ!?」
そのままユミルの方へと駆けて行くではないか!
あー、斬られるな。と思い頭を抱えたくなったリョウの前でラビットはユミルの周りも数回周り……
『ん……?』
しかしそのまま何もされる事なく、草むらの中へと消えた。
数秒後……
「ぷっ……。んだよ、いきなりで狩り損ねたか?」
「っ……」
リョウの言葉が勘に触ったのか、暫くラビットの消えた方向を睨んでいたユミルは、非常に不機嫌そうにリョウを睨む。
「自分だって逃したに癖に」
「そりゃ彼奴がノンアクティブだったからだ。俺は非攻性モンスには手は出さん主義なんでな」
笑いながら言うと凄まじく胡散臭い物を見る目で睨まれたが、いい加減慣れたので、リョウはスルーして前を向いた。
故に、リョウには気付けなかったのだ。ユミルが歩き出す直前にもう一度ラビットが消えた方向を見たことにも、その時、小さく微笑んだ事
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