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SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
おまけ!その三
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っ!?」
「ふぅ」
後ろから聞こえたもう一つの音に、ユミルは驚いて振り向こうとするが、しかし硬直時間のせいで出来ない。
と、頭上で何か重い物がぶつかった音がして、ユミルの前に自分が中程から切り裂いた蔦が乾いた、しかし質量を感じさせる重い音を立てて叩き付けられる。
ズルズルと音を立てて引き戻されて行く眼前の蔦には目もくれずに振り向くと、其処に予想通りの光景があった。

自分の方と同じく引き戻されて行く蔦と、青龍堰月刀を肩に担いだムカつく浴衣男の背中。
リョウは自分を見るユミルの視線に気づくと、意地悪くニヤリと笑って言った。

「お前、防御力低いんならもうちょい初見殺しに気をつけた方が良いと思うぜ」
「っ……!?」
図星を刺されたのか、ユミルの顔が羞恥と怒りで紅潮する。

「〜〜ッ!……ッ。〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
何か言い返そうとパクパク口を開き閉じを繰り返すが、残念ながら有効な返しが浮かんで来ないのか何も言えない。

「ま、次からは気をつけたまえ」
「よ、けいなお世話だよっ!!」
完全に憤慨したらしく、地団駄でも踏み出しそうな剣幕でそれだけを言うとユミルはふんっ!と鼻を鳴らしてリョウに背を向ける。

リョウは苦笑しながら「んな怒んなって」と言うがユミルは「怒ってない!!」と返す。
不思議な事に、余計怒っているようにリョウには見えた。
と、リョウは表情を真剣な物にして言う。

「っと、来るぞ」
「っ……」
それに合わせ、未だ納得していない様子だったユミルも、怒りの矛先……ではなくハルバードの矛先を大樹に向ける。

躍動していた大樹の根は既に地面に上がりきり、まるで何本もの足のように幹を支える。
先程ユミルを打ち据えようとした蔦は何本かが絡み合い、まるで太い腕のようになる。
そして樹の幹本体には、樹その物の裂け目がまるで両眼と口のように位置取られ、さしずめお化け大樹と言った様相だ。

そうして、その裂け目の口が大きく開かれ……

「ギシギシャァァァァァ!!」
軋むような。はたまた空気が抜けるような音をたてて、咆哮(ほうこう)した。 頭上に表情された名前は……

《The King of Dead tree(枯れ木の王)》

「こうなっちゃ不干渉も糞もねえ。経験値とドロップは倒した奴のもん。それ以外はお互いご自由に。OK?」
「…………」
ユミルは答えない。代わりに一息、鼻をふんっと鳴らした。その反応を了承と理解したリョウがニヤリと笑って、示し合わせたように二人は構えを取る。

リョウは冷裂の柄の上部を右手で、下部を左手で。身体の左下から右上に冷裂を通すように持ち、右半身を斜めに敵に向けるようにしてニヤリと笑う。

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