コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
おまけ!その三
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足調子で階段を上り始めると、ユミルは喉の奥から息のような、声のような音を出しながら続いて歩き出した。
――――
階段を登り切ると、小高い丘の頂上のような場所に出た。
丘にしては平面な部分が広く、直径はフロアボスの間くらいはありそうだ。丘を下った所には相変わらず森が広がっており、広場の中央には……一本の“枯れた”大樹が立っていた。
「……んん?」
「…………」
リョウは首を傾げる。今回の目標は木の実だ。なので最終的に木が有ることに関しては……まあ大きさはともかく納得できる。
しかし、肝心の木は枯れていて木の実どころか青葉の一枚すら生えていない。これは一体どういう訳だろう?
「…………」
「んー……あ、おい!」
まさかのガセか釣りクエスト?
などとリョウが対応を考えていると、突然後ろに居たユミルが前に出た。
制止も聞かずに前に出て行ったユミルは……
ザクッと行った。
「oh……」
手に持っていたハルバードの先端を、思いっ切り枯れ木に突き刺したのである。
変化は、直ぐに起きた。
ギシギシと音を立てて、木が動き出す。枝の枯れ葉を落としながらまるで蠢くように躍動する木を確認するや否や、ユミルはその場から飛び退いた。
次の瞬間その場所の下から太い根が波打つように幾つも飛び出し始める。恐らくはそのまま其処に居たならユミルはバランスを崩していただろう。
次々に根を地面から掘り起こすように登場させ、ゆっくりと動き出すそれを、ユミルが少し離れた位置で、リョウが更に離れた位置で互いの得物を構えて見ている……と、その時。
ビュンッ!
「っ!」
一本の、地面から木の左側に出て来たひときわ長い蔓のような根がいきなり震われ、正面に居たユミルにまるで鞭のように迫る。
しかし、その程度の事で慌てる程ユミルとて素人ではない。
ハルバードを下段から振りかぶるように構えると、斧部分が黄色のライトエフェクトを帯びる。
両手斧 単発中級技 《アース・ダッシャー》
下段からゴルフのように刃を半ば地面に埋める勢いで振るい、対人戦や通常モンスターとの戦闘では相手を空中に打ち上げることすら出来る豪快なスキルだが、反面両手武器にしては攻撃範囲が狭く、使いどころを選ぶスキルでもある。
まあしかし、今の相手はただ馬鹿正直に自分に向かってくる蔓である。タイミングを計れば逆に斬り飛ばすことが出来る威力のスキルだし、ユミルにはそれが出来るだけの“眼”も経験も度胸もある。
「りゃぁっ!!」
そうしてタイミングを合わせ、ユミルはハルバードを一気に振るい……
直後、ズパァンッ!と言う木の鞭が斬れる景気の良い音が、“二重に”響いた。
「
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