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SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
おまけ!その三
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…?」
有りもしない仮定の話をしつつ、リョウは身体を起こす。ひんやりと身体に纏わりつく空気が、今の季節だと涼しい。
現在時刻三時半。7時頃に床に付いたのでたっぷり八時間は寝た計算だ。寝覚めは快調。一応接近警報アラームを設定しておいたが、誰もかからなかった所を見るとこの場所にはモンスターは湧出(ポップ)しないらしい。
寝袋をしまいつつ、リョウは首と肩をほぐすように回す。別に寝る体勢も糞も無いのだが、癖のような物だ。と……

「よぉ。よく眠れたか?」
「…………」
自身のいる森の中の空間の端。其処に、寝る前と変わらぬ姿で、ユミルが居た。
相変わらず返答も反応も返してこない彼に苦笑しつつ、リョウは続ける。

「そだ。お前ミッツの実って持ってっか?あるならくれよ」
リョウが言うと、いつか見たような胡散臭い物を見るような、容赦のない冷凍光線……もとい。冷凍視線が飛んできた。
相変わらずの無言を暫く貫いた後、ユミルは懐から袋を取り出し、中身を一つ投げつけるようにリョウによこす。

「サンキュ〜サンキュ〜」
ニヤリと笑いながら、リョウは受け取った小さな水色の木の実を口に含み、噛み砕く。

「ふぉっ……」
次の瞬間、口全体に強烈な冷感とスーッとする感覚が駆け抜け、眠気が一気に吹っ飛んだ。

「んっ。やっぱこれあると違うなっと」
言いながら、リョウは傍らに置いてあった冷裂を手首を使って回転させ始める。
初めは短くヒュンヒュンと音を立てるだけだったそれが、段々とそのシルエットを大きくしていく。
やがてそれはブンブンと重々しい風音を立てて回る一本の薙刀となる。ダンッ!と音を立てて回転は止まり、そこに何時も通りの冷裂の姿があった。

「ん〜、よし」
ざっと見て冷裂に異常が無いことを確かめると、リョウはその場に座り込んで無限ポットを取り出す。

『さて……』
後どのくらいで、扉は開くのだろうか?
そんな事を考えつつ、リョウはカップに注いだホットティーを飲む。
そうしてそのままリョウがその一杯目を飲み終わった丁度その時、それは起きた。

ギギ、ギギギギ……

「おっ!?」
「っ……」
固く閉ざされていた扉が、木の軋む音を立てた。
扉と地面、あるいは扉と扉のあいだから塵埃を少しばかり舞わせつつ、それはゆっくりと手前側に開いていく。

フロアボス攻略戦などでそう言った光景を見慣れているリョウは特に動じずニヤリと笑ってそれを見ているが、ユミルはと言うと少し腰が浮いており、若干緊張したようにも見える面もちだ。

やがて扉が開ききると、その向こうに木で出来た長めの階段が現れた。

「……んじゃ、行きますか」
「…………」
リョウが若干浮き
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