コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
おまけ!その二
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この世界に来てからは……多分、はじめてだろう。
「それで、そう、身体の特徴を悪口にするのはよくないって話。貴方だって、もし自分が太っててその事を一々指摘されたら……嫌になるでしょう?」
「それは確かに」
ごもっともである。身体の事と言うのは基本的にすぐには変化させられる訳でない為、よりもどかしく不快感が増すと、確か何かの本に書いてあった。
「なら、やっぱりそう言う事を軽々しく口に出すべきじゃ無いわ。自覚が無いならもっと重症よ?」
「……肝に命じときます」
正論である。言い返せるような事でもなく、リョウは頭を掻きながら頭垂れる。
実際、彼としては馬鹿にするよりもからかう感覚の方が強かったのだ。普段キリト等をからかい、彼等はそう言った所に慣れっこであるため、ついつい初対面の彼にもそのノリで声をかけてしまったが、考えてみれば彼にしてみれば大分腹の立つ声の掛け方だっただろう。
『つーか……』
マーブルの言う通りだ。此処まで長く考えなければ反省までたどり着かないとなると、大分無自覚だった事になる。自覚無しに人を傷つける事ほど質の悪い事もない……
「…………」
「分かった?」
「うす」
「なら、宜しい」
コロコロと笑うマーブルを見て、リョウは苦笑する。
しかし何と言うか……こう言う感覚はやはり久しい。例えるなら何というか……
「お袋、か……」
「え?」
ぼそりと、呟くように言ったリョウに、マーブルが首を傾げる。
「いや、なんつーか久々にお袋に叱られてるような感覚がして……ちっと物思いにふけっちまって。なーんか、センチとか似合わねえな」
照れたようにまた頭を掻いたリョウを見て、マーブルは小さく笑う。
「ふふふっ……お母さん、か……」
小さく呟いた彼女はそれ以上踏み込んで来ることは無い。それはきっと、リアルの話に踏み込んでしまうかもしれないからだろう。が、リョウにはそれ以上に、彼女が何かを深く考えて居るようにも見えた。
……リョウの母親は、既にこの世に居ない。しかし彼女の事を思いだそうとすれば、リョウ自身は今でもはっきりとその姿を思い描く事ができる。
笑いかけてくれた事も……
『よーく頑張ったわね!偉いぞ〜りょう〜』
怒られた時も……
『何度言えばわかんのこの馬鹿っ!!』
じゃれて来た時も……
『りょう〜プリン取って〜』
……あの時も……
『―――――――……』
『っへ。だから何でセンチになってんだっつーの』
自嘲気味に笑って、リョウはマーブルにカップを差し出す。
「すんません。おかわり願えますかね?」
「…………」
「……えっと?」
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