コラボ・クロス作品
戦士達×ツインズ
SAOツインズ×戦士達の物語 三話
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付けて、忘れる方がよっぽど楽なのにも関わらず……だ。
「…………」
おまけに、そう言う責任感強いタイプの奴がなりやすい鬱っぽいのとか、ノイローゼみてえな状態も乗り越えてるしな。
「そうやって向き合い続けて、それでも前へ前へっていられる事。それ自体が、お前がつええって証明なんだと、俺は思うがね」
むしろ、それが強さでなくて何だってんだ?
向き合う強さは、間違いなく、此奴の中にあるだろう?
キリカは少しの間黙り込み……やがて、小さく反抗するようにこんな事を言う。
「でも、それなら私はなんでサチから逃げたの?幸せそうなサチから逃げた事は、弱さじゃないの?」
あぁ、そっちに話持ってくか。ま、答えとしちゃそっちのが単純だけどな。
「確かにそりゃ弱さだ。けどな、さっきも言ったけど、それはちっとベクトルが違う。」
やっぱ、また方向性が俺の言う強さとは違う。
もっと言うなら、キリカの言う弱さと俺の言う強さは対にはなってねえ。
「……どういう意味?」
「お前のそれは多分、お前自身が、お前のこれまでが無駄になったような気がしたんだろ」
簡潔に言ったつもりが、キリカはよく分かって居なさそうに首を傾げる。つまりだな……
「お前はこれまで自分の罪と向き合ってずっと生きてきた。けど、ある日突然目の前にその罪の原因とは全く違う状況があって、それが怖かったんじゃねぇか?たった一つの原因の違いで、自分のこれまで行ってきた罪との向き合いが丸で無かった事になってるかのような世界見せられて、無意識の内に、自分がこれまで罪と向き合うためにしてきた生き方そのものを全否定されたような気がしたんだと思うぜ?」
例えばだが……そうだな、こっちに来る少し前にやったノベルゲームの話だ。
主人公はずっと昔のガキの頃、街一つ巻き込んだ悲劇を経験してる。でも10年以上経ったある時、其奴の前にある奇跡の選択権が降りて来やがる。其奴に奇跡を渡そうとした奴はこう聞くんだ。「あの時の悲劇を無かった事に出来るとしたらお前はそうするか?」ってな。
でも主人公はその奇跡を起こさなかった。何でか?その悲劇を無かった事にしたら、その悲劇を乗り越えて今を生きてる奴の“努力”や“葛藤”や“意志”まで無かった事になる。主人公はそれを嫌がったんだ。
んでもって今、俺に問うたキリカのは、丁度その“努力を無かった事にされる”側の立場に近ぇように俺は思う。
「……私のこれまでの罪と向き合う努力が、無駄だったって言われたような気がしたんだろうって事?」
ま、そう言う事だな。お前の心境の話だからお前の方から「って事?」は正直おかしいんだが……けどま……
「分かりやすく言えばな。けど俺から言わせてもらえんなら、それもまたちっと違う」
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