4部分:第四章
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業自得よ」
山本はむっとしたまま言う。
「干されてああしてたまにテレビで出て何とかやっていくしかなくなったのもね。自分のせい」
「ああはなりたくはないわね」
「だから」
言葉がビシッとうなった。
「男には気をつけなさい。女でもああなるんだから」
「男は芸の肥やしにはならないのね」
「そういう考えだからああなったからね」
「わかったわ。けれどさあ」
「何?」
「あたし処女じゃないよ、わかってると思うけれど」
「な、何言ってるのよ」
山本は恵理香のその言葉に顔を赤くして応える。顔は彼女の方を向いていた。
「いきなり」
「ちょ、ちょっと山本ちゃん」
「何?」
「前、前」
「おっと」
慌ててハンドルを切る。危うく対向車線に突っ込むところであった。
「ああ危なかった」
「あんたがいきなり処女じゃないなんて言うからよ」
「いや、さっきのは山本ちゃんが」
「私のせいなの!?」
「幾ら何でも余所見はよくないよ」
「うう・・・・・・」
今回は山本の負けであった。
「けれどあたしもう二十一だし」
恵理香は言う。
「高校でもう彼氏いたしさ。当然じゃない」
「当然なの、それって」
「けど山本ちゃんだってそうでしょ」
「まあね」
それは認めた。
「じゃあ特に驚くことないじゃない。大体二十五で処女なんていないでしょ」
「それはそうだけれど」
山本も彼氏はいるのだ。それは恵理香も知っている。
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