3部分:第三章
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と続いてるヒーローよ」
恵理香は言う。
「出るじゃない、あの人が」
「ああ、彼ね」
いつも話していることなのですぐにわかった。
「そういえば出てるわよね」
「何か得した気分なのよ」
恵理香はそのヒーローを演じている俳優のファンなのである。だから楽しみにしているのだ。
「サインもらっていいかな」
「好きにしたら」
山本は突き放したように答えた。
「いいの?」
「それ位はいいわよ」
「ふうん」
「サインって貰える時に貰えばいいから」
「優しいのね、そういうところは」
「こんなので厳しくするつもりはないわよ」
「そうなの」
「ただしね」
ここで付け加えた。
「そのタレントと一緒に食事に行ったりとかは絶対に駄目よ」
スキャンダルは絶対に許さないというわけである。
「そうなの」
「そうよ。だから私がいつも一緒じゃない」
「厳しいなあ」
さっきとは全然逆のことを述べた。
「こういうところは厳しくしているの」
山本はきつい声で返した。
「わかった?」
「けれどあたし別にそんなことしないよ」
恵理香はそう反論する。
「付き合ってるのっていつも一人だったし」
なお今はいない。山本に会ったのは丁度別れたその時だったからだ。
「相手が問題なのよ」
だが山本の警戒はそこではなかった。
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