第六話 声も身体もその三
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「肝臓とか壊すな」
「そうそう、そこはね」
「気をつけないとな」
「龍馬にしてもね」
「まあお酒以外はな」
ここで笑ってだ、龍馬はこうも言った。
「俺はやらないことにしてるけれどな」
「煙草とかは」
「あれしていいことないだろ」
「絶対にだよ、ましてやね」
顔を曇らせてだ、優花はここで龍馬にこうも言った。
「シンナーとか麻薬はね」
「論外だよな」
「もう手を出したら」
その時点でというのだ。
「終わりだよ」
「何もかもがボロボロになるんだよな」
「そうなるから」
「覚醒剤とかな」
その薬のことをだ、龍馬も言った。
「やったら酷いらしいな」
「骨がボロボロになるらしいよ」
「それで頭もだよな」
「おかしくなるから」
「冗談抜きで電波を受信したとか言うってな」
「らしいね」
「戦争前は普通に売ってたらしいな」
龍馬はこうした話もした。
「煙草屋とかで」
「ヒロポンだね」
「ああ、そう呼ばれてたんだな」
「そうらしいね、昔はね」
「覚醒剤も普通に売ってたんだな」
「それで中毒の人も多かったらしいよ」
実際にそうした人もいたらしい、織田作之助も結核で疲弊しきっている身体に打って書き続けていた。
「廃人になる人とかも」
「怖いな」
「だから煙草も駄目だし」
それにというのだ。
「ましてやだよ」
「麻薬はな」
「あんなのしたら破滅するよ」
「本当にそうだよな」
「何か昔本当にね」
「ヒロポンで廃人になった人多かったんだな」
「そうみたいだよ」
ヒロポンが合法であった頃のことをだ、優花は龍馬に真剣な面持ちで話した。
「実際にね」
「やっぱりそうか」
「あんなの手を出したら駄目だよ」
「何があってもな」
「まだお酒を飲むならね」
それ位ならばというのだ。
「姉さん位飲むと駄目だけれど」
「多少ならいいか」
「そう、お酒は多少ならお薬になるから」
「そういうことだな」
「うん、あと龍馬煙草にはなんだね」
「吸える歳になってもな」
二十歳になってもというのだ、八条町は酒は町の条例で十五歳から飲めるが煙草については他の地域と同じで二十歳になってからなのだ。
「吸わないよ」
「身体に悪いからだね」
「そう思うからな」
「やっぱりそうだね、姉さんも吸わないしね」
「優子さんは完全にお酒だけだな」
「そうだよ、お酒は大好きだけれどね」
言うまでもないという口調でだ、優花は話す。
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