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Blue Rose
第六話 声も身体もその二

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「こうしたことも」
「前向きに進むこともだね」
「何も考えたり動かなくて出来ないだろ」
「確かにね」
「だからな」
「姉さんもだね」
「努力家なんだろうな」
 こう優花に言うのだった。
「俺親父とお袋によく言われてるんだよ」
「ああ、モーツァルトだね」
 優花もすぐに応えた。
「あの人は何故天才か」
「あの人はいつも作曲してたんだよ」
「そうらしいね」
「努力してないんじゃなくてな」
「努力を努力と思わない」
「モーツァルトにとっては作曲は息をするみたいなものだったんだよ」
「していないと苦しくて仕方なかったらしいね」
 これは龍馬から聞いた話だ、だから優花も知っているのだ。
「あの人は」
「ああ、それでな」
「努力はだね」
「努力をする人はな」
 それこそというのだ。
「やっぱり違うんだよ」
「才能だけにあぐらかいてたら」
「そういう奴って駄目になるってな」
「いつも言われてるんだよ」
 両親にというのだ。
「俺はな」
「その通りだね」
 優花も彼のその言葉に頷いた。
「金田正一さんだって凄かったらしいね」
「凄まじい練習だったってな」
「毎日だったらしいね」
「だからあの人も四百勝出来たんだよ」
「努力しないと」
「ああ、何も出来ないさ」
 到底というのだ。
「だから優子さんもな」
「努力してるんだね」
「それで前を向けたんだろうな」
「今回も」
「そうだと思うけれどな」
「そうなんだね」
「しかし何についてそうなのか」
 前向きになれたかはというのだ。
「そこまではな」
「わからないんだね」
「ああ、それは御前もだろ」
「姉さん言わないからね」
「いつも一緒にいる御前がわからないとな」
 それこそというのだ。
「俺もな」
「やっぱりわからないよね」
「残念だけれどな、ただな」
「それでもだね」
「優子さん吹っ切れたな」 
 それは間違いないというのだ。
「そのことは確実だよ」
「そうなんだね」
「いいことだよ、本当に酒ばかり飲んでてもな」
「身体壊すね」
「そうなるからな」
 絶対にというのだ。
「止めてよかったよ」
「お酒はね」
「飲み過ぎたら毒ってな」
「本当にその通りだね」
「冗談抜きでな、俺もな」
「龍馬もお酒好きだしね」
「どのお酒もな」
 実は彼もなのだ、かなり酒好きなのである。
「好きだしな」
「気をつけないとね」
「さもないとな」
 それこそというのだ。
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