7部分:第七章
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第七章
「これから起こることをな」
「あっ、もう最後の一人ですね」
虐殺はもうクライマックスを迎えようとしていた。今最後の一人がマスコットのうちの一体の両腕の中に完全に捉えられてしまったのである。
「ひ、ひいいいいいいっ!!」
「ナラッ」
マスコットが掴んだ男の前で一言言った。そうして口を開くと。
「うわあ・・・・・・」
その口を見て思わず声をあげた小田切君だった。何とその口には三重の無数の牙が生えていたのである。さながら鮫の口の中である。
「あの牙で、ですよね」
「左様、噛み砕く」
それだというのである。
「それも頭からのう」
「何か壮絶にえぐいですね」
「だからこそじゃよ」
博士はここでも平然としたものであった。
「だからこそああしたふうにしたのじゃよ」
「あの牙で頭からですね」
「ほれ、はじまったぞ」
映像では今まさに。その最後の一人に対してマスコットが禍々しく開いたその口を近付けているところであった。そうしてその口で噛み付き。
「ナラッ」
「あぎゃあああああああああああっ!!」
男の断末魔の声が響いた。マスコットはそのまま彼の頭を噛み砕いていく。
鮮血と脳漿が飛び散る。マスコットはそれに構わず男の頭を噛み砕く。肉と骨が砕ける嫌な音が映像からも響いてくる。マスコットの口の周りも身体も服もその鮮血と脳漿で行き悪く染まっていた。
「えげつないですねえ」
「殺すからにはえげつなくじゃ」
博士の主義である。
「ふむ、頭を完全に食らってしまったのう」
「ええ、確かに」
頭を食われて失くしてしまった骸はそのまま捨てられる。そうしてマスコット達の行進に踏み躙られ無惨な肉の塊となってしまったのであった。
マスコット達の行進はなおも続く。最早男達のことはなかったかのようだ。
小田切君はその行進を見ながら。また博士に問うのであった。
「古都まで進んでいくんですよね」
「左様、生まれ故郷にな」
「それで古都に着いたらどうするんですか?」
そのことも非常に気になるのであった。間違いなくとんでもないことが起こるであろうとわかっていても聞かずにはいられなかったのだ。
「あのマスコット達は」
「そこからそれぞれ飛んでいってのう」
「えっ、飛べるんですか」
また一つわかった恐ろしい能力であった。
「あのマスコット。飛べるんですか」
「わしを誰だと思っておる」
またしてもぞんざいな返答であった。
「IQ二十万の天本破天荒じゃぞ」
「そうですよね。それ位はですか」
「何でもない」
造作もないことだというのである。
「それでじゃ。空を飛んでじゃ」
「日本中を暴れ回るんですね」
「いや、世界中じゃよ」
日本だけに留まらないのがこの博士のとんでもないとこ
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